朝日新聞が「太陽で23日昼過ぎ、比較的大規模の爆発があり、放出された高エネルギー粒子が地球に向かっている」と報じた。条件が整えば25~26日に北海道でオーロラが見えるという。
米AP通信も太陽の異常現象を伝えている。米海洋大気局(NOAA)の衛星が、ここ数日来爆発現象を起こしている太陽から放出された高エネルギー粒子が地球に向かっていて、地球の磁気が大きく乱される大磁気嵐になりそうだと把握した。すでにカナダなどではオーロラが活発に現れている。
慶応大学の名物教授だった西岡秀雄氏が、地球の寒冷化現象とオーロラの出現について、日本や韓国の古い資料を広く使って、その関連性を実証したことがある。
西岡教授によると”極光”といわれるオーロラは、太陽黒点と関係しているという。太陽から放射される高速度帯電微粒子が地球に接近すると、地球の磁場によって磁力線の沿って、その周囲を進行し、その際に地球上層の大気、たとえば水素のイオン化したものが、この微粒子によって衝撃を受けて発光する・・・という学説を紹介した。
<太陽で23日昼過ぎ、比較的大規模の爆発があり、放出された高エネルギー粒子が地球に向かっている。米気象衛星は2005年以来の規模の放射線を観測した。名古屋大の上出洋介名誉教授は「地球の磁気が大きく乱される大磁気嵐になりそうだ」と話す。条件が整えば25~26日に北海道でオーロラが見えるという。
太陽ではここ数日、爆発現象が相次ぎ、カナダなどでオーロラが活発化していた。米海洋大気局(NOAA)の衛星は25日未明、粒子のかたまりが地球の近くに到達し始めたのを観測した。影響は数日続くという。過去には人工衛星がダメージを受けたり、カナダで大規模な停電が起こったりしたこともある。
鹿児島高専の篠原学教授らによると、今回放出された粒子はエネルギーが高い。計器の一部に不具合が生じて観測できなくなっている衛星もあるという。(朝日)>
<西岡慶大教授の復刻版新書 古沢襄2008.07.14 Monday name : kajikablog
次女が慶応女子高校に入った時に慶応大学の先生が出した本を読み漁ったことがある。娘が読んだわけでない。父親が読み漁ったのだから、典型的な”親バカ”とからかわれても仕方ない。
その中で一番印象に残ったのは、民俗考古学の権威である西岡秀雄教授の「七百年周期説による逆発想の日本史 天候異変が教えたもう一つの真実」という新書版の本。西岡教授には「日本人の源流をさぐる 民族移動をうながす気候変動」「味でさぐる世界の文化 ヨーロッパ・中近東」など数多くの著作がある。
「逆発想の日本史」の中に日本に現れたオーロラ現象について明和7年(1770)7月28日夜の記録が紹介されていた。「想山著聞奇集」によれば北は北海道から南は長崎まで眺められた極光(オーロラ)。江戸時代で最大のものであった。
平安時代のような暖期には日本ではオーロラは見れない。寒期になるとオーロラが頻繁に見れるようになると、西岡教授はオーロラ出現記録と日本の気候変化を詳しく検証している。
話はがらりと変わるが親友の全英和尚から「寺史」を書いてくれとせがまれた。「オレは寺作家じゃーないんだよ」と逃げ回ったが、大酒を二人で飲んでいる中に酔いにまかせて隙をみせたらしい。岩手県から帰って四、五日したら、ダンボール箱に一杯の資料を送ってきた。
資料魔の私のことである。読み出したらとまらない。とくに興味を駆られたのは「沢内開闢(かいびゃく)稔(年)代記」「沢内年代記」「沢内村郷土誌」の郷土資料だった。いずれも書写本なのだが、そこに明和7年(1770)7月28日夜のオーロラ記録が出ていた。
「沢内年代記」は異本があるが、その中に「下巾本」というのがある。その「喜三太の詮議」の庚寅七年(一七七〇)に「七月二十八日夜、子の刻よりはじめて(始めて)空の色赤くなる。雲やけ(焼け)の如し」という記述があった。西岡教授から教えられた「想山著聞奇集」と「沢内年代記」が結びついた。
http://blog.kajika.net/?search=%C2%F4%C6%E2%C7%AF%C2%E5%B5%AD
鬼の首でもとったかの様に興奮した私だが、娘はそれほど感動してくれない。文学部に行って西岡教授に弟子入りでもしてくれたら、とひそかに思っていたが、さっさと経済学部に進学して卒業したら大学院の修士課程に行ってしまった。
最近、杜父魚ブログの読者から吉報が寄せられた。「西岡先生の本が復刻出版されます」という知らせ。教え子の一人なのだろう。
<先生が30年以上前(1979/昭和53)に出した「七百年周期説による逆発想の日本史―天候異変が教えたもう一つの真実 」
http://books.yahoo.co.jp/book_detail/00475499
という著書が気候温暖化をテーマにしているので、このたびPHP研究所から復刻版新書として出版されることになりました。
「寒暖700年周期説」 西岡秀雄 2008年7月22日発売 税別950円>
嬉しい知らせである。西岡教授は慶応大学の名物教授だった。地球の寒暖の七百年周期説を唱えて、平易な例示をしながら講義をするから、学生たちに人気があった。
アメリカのハンチントン・エール大学教授が気候脈動説を唱え、「気候と文明」の著書を出してから欧米では気候の歴史に及ぼす研究が盛んになった。西岡教授はこの流れを汲む学者といえる。
歴史とは人間の歩みを記録したものだが、西岡教授は人間にも歴史にも気候が大きく影響してきたという。そして一定の法則を発見した。それが気候七百年周期説となって学会で発表、ハンチントン教授からも絶賛を浴びている。
さらに暖期には天皇の寿命が長く、寒期には短い。また古くは河内、大和から奈良、京都、鎌倉、江戸と時代の中心地が変遷しているが、温暖期には水面が上がり、寒冷期には水面が下がる影響があるので、それが影響した説をとった。
一九七〇年代に地球の寒冷化説、氷河期の到来説が流行った時に「あと数世紀は暖かいでしょう」とあえて異説を唱えた西岡教授だったが・・・。(杜父魚ブログ)>
杜父魚文庫
8977 北海道でオーロラ見える? 太陽で大規模爆発 古沢襄

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