9027 イラン攻撃のイスラエル情報  古沢襄

米紙はイスラエルが四月にイラン攻撃の可能性を伝えているが、日本の新聞を読むかぎりそれが切迫しているとは感じられない。イスラエルが具体的に攻撃計画を持っているのか、そのイスラエル情報が少ないか、欠落しているからである。
強いていえば、イスラエルの意図的な情報操作を警戒しているからであろう。対岸の火事ということもあるかもしれない。仮にイスラエルのイラン攻撃があっても、数日で終わるという軍事筋の観測もある。
北朝鮮の核武装に脅かされている韓国の受け止め方は違う。東亜日報を読むとイスラエル情報をストレートに報じている。それも五月、六月ではなく直近の四月という受け止め方が感じられる。
イスラエルのバラック国防長官は、2日に開かれた情報・軍事関係者が参加する「安保フォーラム」で、「イランがウラン濃縮施設を新たに建設した山中のバンカーに隠しているため、イランの核開発の進展を阻止する期限が迫っている」と宣言したという。イラン攻撃の意図を隠していない。
さらにバラック長官は、「経済制裁だけではイランの核計画を止めることはできない」と述べ、「行動が必要だ」と強調した。
米紙ワシントン・ポストはイスラエルの攻撃が起こる場合、「ターゲットを制限」し、ウラン濃縮施設があるナタンズなどの一部の核施設が標的になるもようだと伝えた。イランも全面戦争には拡大させないだろうと、イスラエルは見ていると報じた。
イスラエルのモシェ・ヤーロン副首相も2日、「イランの核施設がある地下壕は、十分な防御を備えておらず、軍事攻撃に脆弱だ」と主張した。
これは、米国の地中貫通爆弾「バンカーバスター」の最新型がまだイランの地下核施設を破壊する能力がないという外国専門家の主張とは異なる。ヤーロン副首相は、「重要なことは、すべての施設を攻撃できるということだ」と強調している。
<イスラエルのバラック国防長官は2日、「イランの核開発阻止に期限が迫っている」とし、イラン核施設に対する空爆の方針を明らかにした。米国のパネッタ国防長官は、イスラエルが早ければ今年4月にイランの核施設を攻撃する可能性が高いと見ていると、米紙ワシントン・ポストが3日付で報じた。
昨年11月、国際原子力機関(IAEA)が、「イランが核兵器開発を進めていると疑われる」という報告書を発表した後、イスラエルのイラン攻撃の可能性が数回言及されてきたが、米国とイスラエルの国防省首脳が攻撃について言及したのは異例のこと。イランと国際社会の対立が平行線を辿る場合、実際に軍事行動が起こる可能性を排除できない状況だ。
ポスト紙のコラムニスト、デビッド・イグネイシャス氏は3日付のコラムで、「パネッタ長官は、イスラエルが4月か5月、あるいは6月にイランを攻撃する可能性が高いと見ている」と書いた。イスラエルがイラン攻撃を急ぐのは、イランが「免除地帯(zone of immunity)」に到達する前に手を歌なければならないという考えるためだと、イグネイシャス氏は伝えた。「免除地帯」とは、敵の直射および曲射火気の脅威が及ばない地域のことを意味する。
イスラエルは、イランが核武装をし、さらに核兵器を製造できる十分な量の濃縮ウランを深い地下施設に貯蔵し、米国のほかには誰も軍事的に阻止できない段階に達することを憂慮していると、イグネイシャス氏は分析した。
北大西洋条約機構(NATO)会議に出席するためにブリュッセルを訪れたパネッタ長官は2日、ポスト紙のコラムについて、「イスラエルがイランを攻撃すると考えるか」という記者団の質問に、「私がどう考え、展望しているかは、私だけが知っている領域だ。私は言及しない」と言い、否定も肯定もしなかった。ただ、「イスラエルはすでにイランに対する軍事的行動を考慮していることを明言しており、米国は憂慮を示してきた」と述べた。
イスラエルのバラック長官は、2日に開かれた情報・軍事関係者が参加する「安保フォーラム」で、「イランがウラン濃縮施設を新たに建設した山中のバンカーに隠しているため、イランの核開発の進展を阻止する期限が迫っている」と宣言した。そして、「『後で』と言うなら、その『後』とは、すでに手遅れの時だ」と強調した。バラック長官は、「経済制裁だけではイランの核計画を止めることはできない」と述べ、「行動が必要だ」と強調した。
安保フォーラムに参加したイスラエル軍情報機関の責任者のアビブ・コチャビ氏は、「イランは濃度20%の濃縮ウランを100キログラム近く保有している。これは初歩的な核爆弾を4つ製造できる量だ」とし、「米国にまで到達するミサイルを開発している」と述べたと、AP通信が配信した。
イスラエルの攻撃が起こる場合、「ターゲットを制限」し、ウラン濃縮施設があるナタンズなどの一部の核施設が標的になるもようだと、ポスト紙は伝えた。イランも全面戦争には拡大させないだろうと、イスラエルは見ている。
イスラエルは07年9月にも、核施設が疑われるとしてシリアの建物を爆撃機で破壊したが、シリアは何の抵抗もできなかった。
攻撃能力についてイスラエルのモシェ・ヤーロン副首相は2日、「イランの核施設がある地下壕は、十分な防御を備えておらず、軍事攻撃に脆弱だ」と主張した。これは、米国の地中貫通爆弾「バンカーバスター」の最新型がまだイランの地下核施設を破壊する能力がないという外国専門家の主張とは異なる。ヤーロン副首相は、「重要なことは、すべての施設を攻撃できるということだ」と強調した。しかし、イラン攻撃が行われれば、どのような兵器が動員されるかは知られていない。(東亜日報)>
[エルサレム 2日 ロイター]イスラエル軍の情報機関トップを務めるアビブ・コハビ氏は2日、同国ヘルツェリヤで開かれた戦略会議で、イランは保有するウランをさらに濃縮させることで、原子爆弾4発の製造が可能だと指摘した。また、同国が原子爆弾の製造を決定した場合、約1年で完成できるとの見方を示した。
コハビ氏は同会議で、イランが濃縮度3.5%のウラン4トン以上と、同20%のウラン約100キロを所有しているとし、「原子爆弾4個を製造するのに十分な量」だと語った。
核爆弾の製造には濃縮度90%のウランが必要だが、西側の専門家によると、20%に達していれば、製造までそう難しいことではないという。
また、バラク国防相はテルアビブ近郊でシンクタンクに対し、「制裁が(イランの)核開発を止めることができなければ、措置を検討する必要があるだろう」と述べた。(ロイター)
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