米原子力規制委員会(NRC)が福島第一原発の事故発生直後から3つの原子炉で炉心溶融の恐れがあることを危惧していたことが分かった。そのやりとり記録した3000ページにのぼる議事録を公表した。
この事故についての日本からの情報が少ないことで事故の状況が把握できず、アメリカ側が苛立ち困惑していたことが示されている。
<【ワシントン白戸圭一】米原子力規制委員会(NRC)は21日、昨年3月の福島第1原発事故の発生から5日後の時点で1~3号機原子炉のメルトダウン(炉心溶融)を懸念していたやりとりなどが含まれた議事録を公開した。
議事録によると、NRCは事故発生翌日の昨年3月12日、原子炉内部で部分的な炉心の損傷が起きている可能性を想定。ヤツコNRC委員長は同月16日、「最悪の場合、三つの原子炉がメルトダウンを起こしている可能性がある」と発言した。
また、4号機の使用済み核燃料プールから冷却水が蒸発して放射性物質が漏れる事態を危惧。NRCのボーチャード事務局長が「同じ事態が米国で発生すれば、原発から半径50マイル(約80キロ)以内に避難勧告を出すのが妥当と思われる」と進言していた。
議事録は事故発生から10日間のNRC内部の会議や電話でのやり取りなどを記録した内部文書で、約3000ページ。米メディアなどが情報公開法に基づいて公開を請求していた。(毎日)>
杜父魚文庫
9142 日本からの原発事故情報が少ないことに苛立ち 古沢襄

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