9200 米朝合意でも日本への脅威は去らない  古沢襄

「北朝鮮の核兵器やミサイルの開発を部分的に制限する点で歓迎できる」と評価する一方、北朝鮮側が国際査察を認めるという寧辺地区以外の「複数の秘密施設でウラン濃縮の動きが自由となる危険が残る」というのが、ワシントンの共通した認識・・・と古森義久氏が伝えてきた。
この報告の力点は「今回の合意について、核実験の停止自体は米国を利するが、北朝鮮がいま最大目標とする核弾頭の小型化、軽量化はもう核実験を必要としない段階まできた恐れがあり、ノドン・ミサイルへの核弾頭装備による韓国や日本への脅威は去らない」ということにある。
また「北朝鮮は昨年の最後の3カ月に中国から合計50万トンの食糧援助を得ており、食糧不足への危機感は薄い」という指摘は注目に値する。
<【ワシントン=古森義久】北朝鮮の核兵器開発に関する今回の米朝合意について米国議会調査局で長年、朝鮮半島情勢を専門に研究してきたラリー・ニクシュ氏は2月29日、産経新聞との会見で、「北朝鮮の核兵器やミサイルの開発を部分的に制限する点で歓迎できる」と評価する一方、北朝鮮側が国際査察を認めるという寧辺地区以外の「複数の秘密施設でウラン濃縮の動きが自由となる危険が残る」との見方を示した。
ニクシュ氏は現在、大手シンクタンクの戦略国際問題研究所(CSIS)研究員を務める。
同氏は、今回の合意について、核実験の停止自体は米国を利するが、北朝鮮がいま最大目標とする核弾頭の小型化、軽量化はもう核実験を必要としない段階まできた恐れがあり、ノドン・ミサイルへの核弾頭装備による韓国や日本への脅威は去らないと警告した。
同氏はまた、長距離ミサイルのムスダン開発について、北朝鮮が緊密な絆を保つイランやパキスタンの同種のミサイルの開発と実験の資料入手で補える可能性が高い、と指摘した
同氏は北朝鮮が米国側から栄養補助食品24万トン提供以外の譲歩をほとんど引き出さないままに、核やミサイルの実験停止に応じたことには驚きを表明。
「北朝鮮は昨年の最後の3カ月に中国から合計50万トンの食糧援助を得ており、食糧不足への危機感は薄い。今回の譲歩は今後の対米交渉でより大きな目標を目指すための切り札とするのではないか」と述べ、譲歩の背景には食糧獲得以外の複雑な政治的動機があるとの見解を明らかにした。(産経)>
杜父魚文庫

コメント

タイトルとURLをコピーしました