9237 消費増税法案は本気で反対すれば阻止できると小沢氏  古沢襄

小沢裁判の論告・求刑がきょう九日午後ある。関心は四月二十六日ごろの判決で全面無罪が出るか、どうかだから検察官役の指定弁護士が行う論告には興味がわかない。しかし、この時期に小沢氏を糾弾する有罪の意見が指定弁護士から述べられるのは、政治ショーとして少なからず興味を呼ぶだろう。
この裁判は最初から政治ショーの意味合いを持っている。民主党内で絶大な権力を持っていた小沢氏が裁判の俎上に乗せられ、力を失っていくドラマ性には、裏で糸をひく仕掛け人がいたとさえ思わせる。裁判の利点といえば、元秘書の検察官調書が無理な虚偽記載を含んでいたことが、白日のもとに曝されたことであろう。検察に対する不信を招いたが、取り調べで強い利益誘導や圧力をかける手法が否定された意味は大きい。
昔日の力を失った小沢氏だが、どっこい生きていると野田政権に党内から揺さぶりをかけている。野田氏にとっては厄介な存在であることには変わりない。これだけ息の長い暗い政治家は、戦後政治でも希有な存在ではないか。
小沢氏は野田首相の解散権を封じ込める布石を打つのに余念がない。消費増税法案も本気で反対を訴えれば、止められると檄を飛ばしている。いっそのこと、消費増税阻止の新党でも作ればいいとさえ思える。もっとも消費増税阻止だけでは政党としての発展性が望めない。
むしろ混迷を深める不況克服の政策こそが新しい政党に求められている時期にきている。既成政党には、それがないから沈滞ムードが広がり、国民のイライラがつのるばかりである。ソロリソロリの内向け政治がいつまで続くのであろうか。野田首相と小沢氏のサヤ当ては、コップの中の嵐に過ぎない。
<2012年度予算案は8日の衆院本会議で、民主、国民新両党などの賛成多数で可決、参院に送付された。遅くとも4月6日に成立する。
予算案が衆院を通過したことで、政府・民主党は今国会の最大の焦点である消費税率引き上げ関連法案の閣議決定に向け、週明けにも党内手続きに着手する。しかし、党内に影響力を持つ小沢一郎元代表は消費税法案への反対姿勢を強めており、まずは民主党内での攻防が激しくなりそうだ。
速やかな審議を 野田首相は8日の衆院予算委員会で、消費税法案について、「年度内の提出を目指している。速やかな審議をお願いしたい」と強調。3月中に閣議決定し、国会へ提出する方針を改めて示した。
このため、民主党は週明けにも財務・金融、厚生労働など関連する部門会議による合同会議や、党税制調査会と党社会保障・税一体改革調査会による合同総会などを開き、消費税法案の事前審査手続きを開始する。前原政調会長は8日の記者会見で「政調役員会で議論した法案は(採決で)党議拘束がついている」と述べ、反対派をけん制した。
首相や輿石幹事長らによる政府・民主三役会議で最終的に消費税法案の国会提出方針を決定する。政府は21日か23日に閣議決定し、法案を国会に提出することを目指している。
もっと反対を これに対し、小沢元代表と小沢グループは、消費税法案の党内了承手続きと、衆院採決の2段階で、法案の提出や成立を阻止する構えをみせる。
「消費税反対の考えをもっと訴えろ。本気で訴えたら、(法案を)止めることができる」・・・元代表は8日夜、自らに近い議員約10人との会合でこう訴えた。(読売)>
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