9252 世界銀行総裁の椅子を巡る学界の争い熾烈化 宮崎正弘

ジェフリー・サックス(コロンビア大学教授)が立候補?かつて冷戦終結後の東欧、ロシアの経済顧問をつとめ抜本的な改革案を提示した経済学の泰斗、とりわけ開発経済学、環境経済学の提言で世界にその名をとどろかせたサックス教授はある意味で、ビッグピクチャーを示す天才学者でもある。
任期切れがせまった世界銀行総裁、いまのゼーリックは「金本位制度復活も選択肢だ」と発言して話題の人となったが、以前にも中国と米国の関係は「ステークホルダー」と提言した。
そのあと、ブレジンスキー(カーター政権下の安全保障担当補佐官)は「米中関係は『G2』だ」と定義しなおして、北京を喜ばせた。
現在のオバマ政権は、この米中関係を大きく後退させ、ヒラリーは「G2はない」と断言し、「戦略的パートナーシップとも滅多に発言しなくなった。
IMFの副専務理事に中国人エコノミストをおくりこんだ中国は、その世界経済を差配するブレトンウッズ体制の中枢に食い込んだわけだが、むろん、つぎに世銀総裁に中国人を送り込む腹づもり(ただし、ブレトンウッズ体制は米英の密約に基づいて発足しており、世銀総裁はアメリカ人、IMF専務理事は欧州人という不文律がある)。
さてジェリー・サックス教授、次の世銀総裁にライバル学者のローレンス・サマーズ(元財務長官、ハーバード大学学長を歴任)が下馬評に盛んな現状を憂い、次の世銀総裁への立候補を表明している。
杜父魚文庫

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