9262 イスラエルのイラン攻撃は不可避  古沢襄

英ロイターがドバイとエルサレムから緊迫した中東情勢を伝えてきた。ドバイからイランとイスラエルの戦争はほぼ不可避な情勢であると、スイス出身の著名投資家マーク・ファーバー氏の発言を報じた。ファーバー氏は「遅かれ早かれ、米国もしくはイスラエルがイランを攻撃すると思う。それはほぼ不可避だ」と言い切っている。
またエルサレム・ロイターは、イスラエルは、イランの地下核施設への攻撃能力の拡大につながる、地下攻撃用特殊爆弾の「バンカー・バスター」爆弾と空中給油機を米国に要請したというイスラエル当局者の発言を伝えてきた。
イランはイスラエルを射程内にとらえる数百のシャハブ・ミサイルを保有している。イスラエルから奇襲攻撃を受ければ、ただちに全面攻撃をすると威嚇している。米国はイランの報復攻撃が必至という見方をしていて、外交交渉でイスラエルとイランの自重を求めているが、ネタニヤフ・イスラエル首相は応じていない。
このような折、イスラエル・ニュースが「ガザ地区からイスラエル南部に撃ち込まれたロケット砲を”アイアンドーム”が迎撃。迎撃を行った27発中25発の迎撃に成功。イスラエル防衛史上で最高の、驚異的な命中率を達成した」と報じた。
「アイアンドーム」はイスラエルの国産ロケット弾迎撃システム。85・7%の迎撃成功率は、イランのシャハブ・ミサイルも恐るに足らずという自信を呼びかねない。
<[ドバイ 6日 ロイター]スイス出身の著名投資家マーク・ファーバー氏は、イランとイスラエルの戦争はほぼ不可避な情勢であり、中東の政治的リスクが大幅に高まっていると指摘。貴金属と株式への投資がいくぶん安全だとの見方を示した。
ファーバー氏は6日、ロイターの取材に対し「政治リスクは高まっている。遅かれ早かれ、米国もしくはイスラエルがイランを攻撃すると思う。それはほぼ不可避だ」と述べた。
北海ブレント原油先物は足元、イランからの供給懸念などを背景に1バレル=123ドル前後まで上昇。5日にオバマ米大統領と会談したイスラエルのネタニヤフ首相は、対イラン軍事行動も辞さない構えをあらためて強調した。
投資ニュースレター「グルーム・ブーム・アンド・ドゥーム」の発行人でもあるファーバー氏は、「中東やどこかで戦争が勃発すれば、バーナンキ氏(FRB議長)はさらにお金を刷るだけだ。それしか選択肢はない」と指摘。「(投資家は)貴金属市場か株式市場にいなくてはならない。たいていの戦争や社会不安では、企業は破壊されたことはない」と述べた。(ロイター)
[エルサレム 8日 ロイター]イスラエル当局者が8日、明らかにしたところによると、イスラエルは、イランの地下核施設への攻撃能力の拡大につながる、地下攻撃用特殊爆弾の「バンカー・バスター」爆弾と空中給油機を米国に要請した。
当局者は、ネタニヤフ首相の今週の訪米前後に「そのような要請が行われた」と述べ、メディアの報道を確認した。
ただ、米国が武器を提供する上で、イスラエルが年内イランを攻撃しないと約束することを条件にするとしたイスラエルの報道を「非現実的」と指摘した。
米ホワイトハウスのカーニー報道官は、ネタニヤフ首相の訪米中にそうした要請があったかとの記者団からの質問に対し、オバマ大統領との会談や他の高官との会談でも「そのような取り決めは提案されなかった。成立もしていない」と語った。
ただ、この件がパネッタ国防長官や他の米当局者に提起されたかとの質問には、情報がないと答えた。
米当局者は匿名を条件に、ネタニヤフ首相とパネッタ国防長官の会談で、軍事能力に関する協議があったことを明らかにしたが、詳細には言及せず、会談ではどのような合意もなかったとしている。(ロイター)>
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