岡田副総理が会った”自民党の谷垣総裁に近い人”は、川崎二郎元厚生労働相だったと産経新聞がすっぱ抜いている。党内にほとんど影響力も基盤もない川崎氏を大連立の相談相手に選んだ岡田氏の眼鏡違いには呆れる。この人はやはり根回しが不得意な原理主義者。慣れぬ事はやらぬがいい。
野田・谷垣極秘会談が洩れてしまったので、谷垣氏はすっかり身をひいてしまった。京都府宮津市の講演で大連立をきっぱり否定したという。側近の川崎氏を使ってまで大連立に未練があると思われたくないのだろう。とどのつまりは産経に見出しのごとく「岡田氏”暴走”」・・・。
<消えては浮かぶ民主、自民両党の大連立構想。野田佳彦首相に続き、今度は岡田克也副総理が動いたが、消費税増税関連法案をめぐり紛糾する民主党の党内事情や、自民党内のパワーバランスを考慮せずに暴走したことによりまたも尻すぼみとなった。ただ、このまま膠(こう)着(ちゃく)状態が続けば、民主、自民両党ともに「何も決められない」という烙(らく)印(いん)が押されることは間違いない。(坂井広志)
「自民、民主両党は外交や年金の考え方などで非常に距離がある。全部一緒にやるのは無理だ…」
自民党の谷垣禎一総裁は18日、京都府宮津市で講演し、大連立構想をきっぱり否定した。2月25日の首相との極秘会談に続き、岡田氏の動きまで表沙汰になり相当バツが悪いらしい。
「首相に会ったと風説を流布されたが、仮に会ったら『小沢氏は増税法案採決で反対すると言っているが、一体どうするのか』と聞きたい。『あなたの足元は液状化している。早く解散しないと何もできないうちに野垂れ死にしますよ』とも申し上げたい」
谷垣氏は懸命に首相との会談を否定したが、その語り口は会談を再現したかのようだった。石原伸晃幹事長も「今ごろ何をやっているんだ。いつ沈むか分からない船で一緒に航海はできない」と切り捨てた。
せっかくの岡田氏の努力も水の泡にみえるが、そもそも会談相手に自民党の川崎二郎元厚生労働相を選んだこと自体に疑問符が付く。
谷垣氏の側近であり、自らと同じ三重県選出だったことから白羽の矢を立てたようだが、川崎氏の党内基盤は弱い。平成12年の「加藤の乱」の首謀者の一人だけに森喜朗元首相ら重鎮の心証は悪く、中堅・若手にシンパはほぼ皆無。これでは党内の調整能力はほとんど期待できないからだ。
民主党でも岡田氏への批判が噴き出した。大連立の裏には小沢一郎元代表の「排除」がちらつくだけに話は余計にややこしい。
「国民をバカにしている。許されない。消費税法案の党内論議の水面下で大連立を打診するなんてこんなバカな話はない!」
小沢氏に近い山田正彦元農水相は18日、都内で記者団に怒りをぶちまけた。同じく小沢シンパの一川保夫民主党参院幹事長もNHKの番組で「党対党の議論をする段階ではない。賛成ではない」と断じた。
輿石東幹事長も複雑な表情。18日夕、訪問先の沖縄県南(は)風(え)原(ばる)町で記者団に大連立について聞かれると「党内で議論していないし、首相とも議論していないのでコメントは差し控えたい」と言葉を濁した。
岡田氏も焦りを感じているようだ。18日のフジテレビ「新報道2001」に出演した大串博志内閣府政務官にも「そういう事実はないからきちんとそう言ってくれ」と念を押した。
それでも岡田氏は「ポスト野田」レースでは、前原誠司政調会長の失速もあり、最右翼を走る。次期衆院選後を見据え「パイプを維持したい」と考える自民党議員は少なくない。大連立構想は破談になったと考えるのは早計だといえる。(産経)>
杜父魚文庫
9296 岡田氏「暴走」でまたも尻すぼみ 古沢襄

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