政府は消費税増税関連法案を閣議決定した。国民新党の亀井静香代表は法案に反対し、同党から入閣している自見庄三郎郵政改革担当相は法案の閣議決定に署名し、同党の分裂が決定的になった。しかし少数与党の国民新党だから、同党が分裂しても政局に与える影響はない。
むしろ民主党内の小沢グループの動向と、これをみている自民党の動きが政局の決め手になるであろう。亀井氏の動きが政局流動化の呼び水になるか、どうかは四月政局の動向次第ということになる。国民新党に続いて民主党も分裂含みとなれば、野田政権は最大のピンチに直面せざるを得ない。
<政府は30日午前、野田政権が最重要課題とする消費税率を2段階で引き上げる消費税増税関連法案を閣議決定した。これに先立ち野田佳彦首相は、閣議決定反対を理由に連立政権からの離脱方針を表明した国民新党の亀井静香代表と会談し、再度慰留したが、亀井氏は応じなかった。一方、同党から入閣している自見庄三郎郵政改革担当相は法案の閣議決定に署名し、同党の分裂が決定的になった。
首相は同日夜に記者会見し、野党側に改めて協議を呼びかける方針。自民、公明両党など野党は国会審議に応じる構えだが、早期解散を求めて対決姿勢を強めており、参院で与党が過半数割れする「ねじれ国会」の中で法案の成立の見通しは立っていない。
民主党執行部は、定例日に縛られず集中的に審議できる特別委員会の衆院設置を検討しており、4月上旬にも審議入りしたい考え。状況によっては6月21日までの会期を大幅延長するとみられるが、小沢一郎元代表グループの政務三役や党幹部の中には閣議決定に抗議して辞任する動きがある。今後の政局は民主党分裂や衆院解散もにらんだ緊迫した展開となりそうだ。
消費税増税関連法案は現行5%の消費税率を26年4月に8%、27年10月に10%へ引き上げる内容。増税にあたり「経済状況の好転」を条件とし、税率引き上げの直接の前提とはしないものの、「名目経済成長率3%、実質2%程度を目指す」ことが政府の努力目標として盛り込まれた。税率10%引き上げ後の追加増税条項は民主党の事前審査で削除された。
閣議では、社会保障と税の一体改革の関連として、低所得者向けの基礎年金加算を盛り込んだ年金機能強化法案や幼保一体化施設創設を柱とする新子育て施策関連法案も決定された。(産経)>
杜父魚文庫
コメント