朝鮮日報によれば、北朝鮮は29日午前、西海岸の平安北道から、KN01地対艦ミサイルと推定される短距離ミサイル2発を試験発射した。
KN01は中国製のシルクワーム地対艦ミサイル(射程約95キロ)を改良したもので射程120キロ。
日本の地対艦ミサイルは88式地対艦誘導弾(SSM-1)。三菱重工業で製造され、射程150-200キロ。第1地対艦ミサイル連隊 – 北千歳駐屯地、第2地対艦ミサイル連隊 – 美唄駐屯地、第3地対艦ミサイル連隊 – 上富良野駐屯地、第4地対艦ミサイル連隊 – 八戸駐屯地、第5地対艦ミサイル連隊 – 健軍駐屯地などに配備。
<北朝鮮は29日、射程約120キロのKN01短距離地対艦ミサイル2発を、西海岸から試験発射した。
韓国政府の消息筋は「北朝鮮が29日午前、西海岸の平安北道から、KN01地対艦ミサイルと推定される短距離ミサイル2発を試験発射した」と語った。
KN01は中国製のシルクワーム地対艦ミサイル(射程約95キロ)を改良したもので、1990年代末以降、本格的に開発された。有事の際に、韓米の上陸部隊や米軍の空母戦闘群が北朝鮮沿岸で上陸作戦を展開した場合、これを攻撃するために用いられる。
韓国軍の関係者は「今回の発射は長距離ミサイル発射とは無関係で、ミサイルの性能テストという観点から行われたものと推定される」と語った。一方、このところ西海(黄海)に増強配備されている韓米両国海軍の艦艇に対する警告の意味もある、と韓国軍当局は分析した。
北朝鮮は、2009年5月29日に2回目の核実験を行った際、実験当日に咸鏡南道咸興近くからKN01ミサイル2発を撃っている。当時、米国は北朝鮮の核実験で放出された放射性物質を採集するため、WC135など特殊偵察機を東海(日本海)上空に急派し、偵察活動を繰り広げていた。
北朝鮮は今年1月にも、東海岸からKN02短距離地対地ミサイル3発を発射し、金正日(キム・ジョンイル)総書記の死去を発表した昨年12月19日にも、2発の短距離ミサイルを東海に向けて発射した。(朝鮮日報)>
■地対艦ミサイル 出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
地上から敵艦艇を攻撃するミサイル。沿岸防衛を主任務とし上陸作戦や地上攻撃、あるいは海峡突破を意図して地上に近づく敵艦艇を攻撃する。つまり従来の沿岸砲を受け継ぐ兵器であるといえる。沿岸砲は艦隊と違って動けない事が大きな欠点だったが、地対艦ミサイルは車両に搭載して移動することができる。
レーダーや通信といった支援車両を同伴して移動する事で生存性と柔軟性を獲得している。また誘導弾であるため88式地対艦誘導弾のようにプログラムによって複雑な軌道で飛翔し、発射所元を隠匿できる。
技術的には大型の艦対艦ミサイルや空対艦ミサイルと大差なく、ファミリー化されている物が多い。ほかのプラットホームに比べて安価であるため、対艦ミサイルを運用する国家はたいてい地上型を保有している。まだ実用化されていないが弾道ミサイルの技術を応用したものもある。
杜父魚文庫
9374 北朝鮮、西海岸から地対艦ミサイルを試験発射 古沢襄

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