「彼女は中国版ジャクリーヌ夫人」と米国のビジネス・パートナー。「薄夫人の辣腕弁護士、谷開来は中国版ジャクリーヌ夫人のような人」と米国におけるビジネス・パートナー(コロラド州のバイーネ法律事務所)はウォールストリートジャーナルのインタビューに答えた(4月9日付け)。
「彼女の英語はパーフェクトで、北京の弁護士事務所は盛業を極めていた」。
「また薄が大連市長時代に大連に招かれホテルで食事したことがあるが、薄き来は、誰とでも握手し、顔見知りばかりで、あれはアメリカの政治家とそっくりだった」と懐旧談。
重慶のホテルで昨年11月に変死した英国人ニール・ヘイウッドが薄の息子、薄瓜瓜の家庭教師を務めてから英国留学の面倒を見たことは小誌でも触れてきたが、実際の息子の英国留学に際しては、谷開来夫人は母親としてだけではなく、英国内の大学院をめざして英国に数ヶ月滞在していた事実が英国筋の調べで判明した。
彼女は当時(薄が大連市長から遼寧省長時代)、「ホラス・コンサルティング&インベストメント」とい会社を経営しており、米国人のラリー・チェン、フランス人のパット・アンリ・デビラー(建築技師)らが薄ファミリーに頻繁に出入りを許されていた。このホラスは紀元前のローマの抒情詩人ホラチウスにちなむ。
この間、薄の胴元は大連実徳集団の徐明・董事長(CEO)と言われ、徐は3月15日頃に中央紀律委員会に拘束されている。大連実徳集団は建材から化学薬品、輸送、保険などに進出した一大コングロマリット。遼寧省の田舎からでてきて学歴もなく成功した企業家でサッカーチームも持っている。そして薄夫人が事実上の経営する北京の法律業務企業の大株主でもある。
この徐明は一時、温家宝首相の女婿ではないか、と言われたが、『月刊多維』によれば、同名別人で温首相の娘、温如春の亭主は劉春航という。ふたりは米国留学中に知り合い、以後、夫君はJPモルガン銀行などを経て、2006年に帰国し、現在中国銀行監査管理委員会研究局の責任者と言われる。
また「同時期に消息を絶った大連の実業家、「大連万達」の王建林社長は海外にいて、彼も薄と親しかったが、いまのところ事件とは無関係であることが分かった」(博聞新聞、4月8日)。
杜父魚文庫
9439 マスコミの関心は薄き来夫人の谷開来女史に 宮崎正弘

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