中国経済は三年以内にハード・ランディングへ向かう。急速な消費の冷え込み、資本配分の不均衡は不良債権を激増させた。
アジア経済の著名な経済学者ジム・ウォーカー(香港「アジアノミクス」CEO、前CLSAチーフ・エコノミスト)は「中国経済は三年以内にハード・ランディングするだろう」と予測した(ウォールストリートジャーナル、中文版、4月10日)。
消費が衰え、バブルから醒めつつある中国で、「これから起こるのは通貨緊縮による消費激減である。ところが中国経済の構造は、消費が拡大するという前提で投資が行われた。典型例は豪への鉱山開発など海外鉱区買収、豪華品の生産増、設備投資拡大など一部アイフォンの需要もあるが、短期的であり、内需拡大は明らかに衰退過程にある」
こう語るウォーカーは続けた。
「この空前の消費の落ち込みは直近に19都市を調査しても明らかであり、セメント、鉄鋼の需要激減などから判断しても近未来は悲観的にならざるを得ない。広域で経済が失速しており、この六月から急減現象が出現する。資本の配分の不均衡が顕著になる。不良債権は25%から40%に増加している」と悲観的な立場を明らかにしている。
杜父魚文庫
9443 近未来の中国経済は悲観的 宮崎正弘

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