9480 韓国が独自のミサイル迎撃システムを開発  古沢襄

北朝鮮のミサイル発射で韓国は、現行のミサイル防衛能力では不足だとした上で、「下層防衛能力」を保有するため数年以内に独自のミサイル迎撃システムを開発すると明らかにした。「下層防衛能力」が何を指すか明言を避けたが、旧式となったPAC2の防衛システムに不安を感じているのは明らか。
日本の弾道弾迎撃用パトリオットミサイル(PAC3)の導入を検討しているのかもしれない。ただ韓国は北朝鮮と距離を接しているので、テポドンやノドンよりも射程が短いスカッド・ミサイルの攻撃に対処しなければならない。
戦略的な事情が類似しているイスラエルの防衛ミサイルを考慮している可能性がある。イスラエルは1991年の湾岸戦争でイラク軍のスカッドミサイルによる攻撃を受けた。迎撃ミサイルの開発が焦眉の急となり、世界に先駆けて2000年3月14日、アロー2を装備した部隊がテルアビブ南郊のパルマヒム空軍基地に実戦配備した。現在はイスラエル国内の基地に3つの迎撃部隊が配備されている。
その後、ミサイル防衛システムの開発が進み、迎撃率が高い「アイアン・ドーム」が実戦配備された。軍事専門家はこのシステムは飛来するミサイルをレーダーで探知、到達場所を判別し人口のある地域へのミサイルを撃墜、人口の少ない地域へのミサイルは無視することを可能にしているという。
PAC3が射程20キロなのに対してアイアン・ドームは射程4キロから70キロ。日本の軍事専門家の間でも朝鮮半島有事の際にこの技術が適用可能という積極的な意見がある。イスラエルのアロー・システムは自民党の石破茂氏が視察しているが、防衛省もアイアン・ドームの視察をする価値がある。
<【ソウル聯合ニュース】韓国国防部の金寛鎮(キム・グァンジン)長官は13日、北朝鮮の長距離弾道ミサイル発射と関連し、韓国が数年以内に独自のミサイル迎撃システムを開発すると述べた。
国会国防委員会に出席した金長官は、ミサイル防衛対策を問う野党議員の質問に答える形で発言した。現行のミサイル防衛能力では不足だとした上で、「下層防衛能力を保有するための開発を実施している。数年内に開発する」とした。
この日、北朝鮮のミサイル発射発表が日本や米国より遅れたのではとの指摘については、午前7時39分の発射から1分も経たないうちに発射をとらえたと説明。韓米の協力によって、韓国が最も早く発表したと反論した。(聯合)>
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