9487 北朝鮮、訪朝した外信記者に発射を見せず  古沢襄

『光明星3号』の発射を見せる・・・ということで、北朝鮮入りした約七〇人の外国人記者たちは、ミサイル発射も空中爆発も知らされないまま待機を強いられた。その顛末を韓国の朝鮮日報が報じている。
<「人工衛星『光明星3号』の発射を見せる」という北朝鮮の言葉を信じ、今月6日から7日にかけて北朝鮮入りした外信記者約70人は13日午前7時38分、光明星3号が平安北道鉄山郡東倉里から発射された際、現場に行くこともできなかった。
韓国では発射から約10分後の7時54分に発射のニュースが、約40分後の8時25分には軌道進入に失敗したというニュースが報じられたが、平壌にいた外信記者たちは発射されたことすら知らなかった。
約束に反し、こっそり発射ボタンを押した北朝鮮当局は、後になって発射の知らせを伝え聞いた外信記者たちの抗議に「よく分からない」としらを切った。その後「午前9時前に公式発表を行う」として羊角島ホテルのプレスセンターに集まるよう指示があったが、記者たちは何の説明も聞けなかった。
米国NBC放送の記者は「ミサイル発射の知らせを北朝鮮の政府関係者から聞いたのではなく、ワシントン当局や自社のデスクから聞いた。プレスセンターでは案内員が音楽会に行こうなどとおかしなことを言っていた」と語った。
「地球観測衛星の軌道進入は失敗に終わった」と北朝鮮の朝鮮中央通信が報じたのは同日昼12時3分ごろで、外信記者向けの会見は午後1時40分になってやっと行われた。
ミサイル発射を取材できず、がっかりした外信記者たちは、この日午後6時、万寿台の丘に駆けつけ、故・金日成(キム・イルソン)主席、故・金正日(キム・ジョンイル)総書記の銅像の除幕式を取材することで満足するしかなかった。
一方、読売新聞や産経新聞など日本のメディアは光明星3号の発射直後に号外を発行するなど、デリケートな反応を見せた。日本は北朝鮮によるミサイル発射に備え、東京都内の防衛省や埼玉県内の訓練場など、計7カ所に迎撃用パトリオット・ミサイルを配備していた。(朝鮮日報)>
杜父魚文庫

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