香港の新行政長官、梁振英はやっぱり秘密党員だった。香港の地下工作員だった活動家が次々と証言している。三月の香港行政長官選挙で逆転勝利した梁は北京の傀儡である。
台湾に亡命している六四指導者の王丹は、「梁振英は間違いなく共産党の秘密党員だった」と明言した。「返還前、長きにわたって香港の地下工作の指導者だった金堯如がロスアンジェルスに亡命していた折、「梁振英は秘密工作に携わった地下党員です」と明言していた」という(香港誌『開放』四月号)。
この金堯如はばりばりの党員で、1947年にはやくも台湾台南へ潜り込んで地下組織を結成し、「中共台湾工作委員会」を指導した。
人民解放軍の台湾開放作戦の準備のためだったが、秘密組織工作に失敗。このとき同士だった蔡考乾は、その後、蒋介石側に投降し、台湾国家安全局の少将に出世した。
他方、金堯如は1949年に香港に潜入した。しばし香港新華社の宣伝工作に従事したが、これは香港におけるメディア工作をする共産党のダミーの部署である。
ところが、89年6月4日の天安門事件で共産党に裏切られたと総括した金は共産党を脱退し、米国へ移民として渡った。金堯如はカリフォルニアの病院で2004年に死去した。
金がロスアンジェルスに亡命中、驚くなかれ、香港新華社のボス、許家屯が事実上の米国亡命、その手記は英語・日本語にも翻訳されて世界的ベストセラーとなった。
こうした関係から金証言の「梁振英は地下党員だった」というのは、本人が否定すればするほどに真実に見えてくるのである。
杜父魚文庫
9495 秘密党員だった香港の新行政長官 宮崎正弘

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