いやあ、面白くなってきましたね。日教組的なる旧体制の守護天使こと民主党の輿石東幹事長は昨日、京都市での記者会見で、民主党との対決姿勢を強める大阪維新の会に対し、こう高らかに宣言しました。
「維新の会(は)、民主党政権ではこれからの日本はダメだと、政権を打倒するとこういう風に明言されているわけですから、それはきちっと受けて立つ」
あはははは、この発言を聞いて、何人の民主党議員が「解散がない参院議員が勝手なことを言うんじゃねえ!」「どうせあんたは次で引退だからって…」と憤りの声や悲鳴を上げたことでしょうか。輿石氏は何も考えていないのか、もう先のことはどうでもいいと思い始めたのか。教職員組合や自治労と対峙する維新の会がよほど許せなかったのか。
特に、大阪府選出の藤村修官房長官や平野博文文部科学相、樽床伸二幹事長代行らは深刻でしょうね。輿石氏に他人事のように無責任に「受けて立つ」といわれても、落選の危機に直面するのは第一にこの人たちですから、輿石発言を聞いて冷や汗をかいたことでしょう。
しかも、昨日のフジテレビ新報道2001の世論調査では、次の衆院選でどの党に投票するかとの質問に、民主党との回答はわずか10・2%にとどまりました。調査対象は首都圏ですから、偏りはあるでしょうが、それでも自民党の21・8%の半分以下というのは痛いですね。もし選挙があれば、未定と答えた44・4%のかなりの部分は維新に流れるでしょう。
維新の個々の政策には、賛成のものも反対のもの(ないし疑問を覚えるもの)もありますが、こういう存在が出てきたこと自体が、時代の要請であるという気もします。民主党への政権交代という壮大な実験の失敗を直視し、かといって自民党がいいとも思えないという多くの有権者は、新たな受け皿が出現してくれないことには窒息しそうな閉塞感に悶え苦しむしかありませんから。
これは産経エクスプレスの「野田政権考」にも書いたことですが、例の消費税増税問題の政府・与党方針をめぐり、民主党の離党届を出したり、役職辞任届を出したりした30人を超える議員のうち1人は、私が「まあ、このまま民主党にいても先がありませんからねえ」
と問うたところ、こう答えました。
「いや、先がないというより、民主党にいること自体が恥ずかしいし…」
民主党にも未だに正常の感覚を維持している人がいるのだと、少しだけほっとしました。こういう風に、自分たちがどういう目で見られているかの自覚がある人はまだいいのだと思うのですが、鳩山由紀夫元首相や菅直人前首相のように生まれてこの方、反省したことなど一度もないであろう面の皮がチタン合金でできているような人もいますしね。
ただ、この点でもいい傾向だなあと感じた記事がありました。15日付の朝日新聞の政治面に「鳩山氏 地元から批判 『イラン訪問より ここに来るのが大事』」という記事が載っていたのです。内容は
《鳩山由紀夫元首が14日、地元の北海道苫小牧市で民主党総支部の大会に出席し、支持者から厳しい批判にさらされた。(中略)支持者の1人は「総理経験者という気負いは自重してもらったほうがいい。イランに行くのではなく、地元に来る方が大事だった」と指摘。別の支持者は首相辞任後の「政界引退」宣言の撤回について「軽々しい」と語った。》
などと鳩山氏の次期衆院選は厳しいものになるという地元の意見を報じたものでした。地元の方々が、極めて真っ当で良識ある反応を示していることに安堵しました。一方、自民党はいまだに鳩山氏の対抗馬を決められずにいるようですから、ここは一つ、維新の会がここ北海道9区を重点地区候補を擁立したらいいのではないかと考えます。
あと、菅氏の東京18区や小沢一郎氏の岩手4区だとか。きっと、輿石氏が堂々と「きちっと受けて立つ」と表明してくれるでしょう。その日のことを創想像すると、久しぶりにわくわくし、政治への期待感が心中から湧いてくるのを感じます。橋下徹市長、ぜひお願いします!
※追伸 さきほど4時5分にチェックしたところ、このブログの累積アクセス数が3100万を超えました。これからもダラダラとのんべんだらりと続けていく予定ですので、よろしくお願いします。
※追伸2 鳩山氏は本日夕、記者団に維新の会の民主党への対決姿勢についてこう語りました。
「 それは市長には市長なりのお考えがあるでしょうし、大飯の原発の再稼働に関して周辺の県とすれば様々懸念がまだ払拭し切れていないんじゃないかと思います。
そういう中で、再稼働を急ぎすぎるという姿勢が市長に対して反発を招いたということであれば、よりある意味での冷静な対応というものをお互いに求める必要があるんじゃないか。ただ、選挙というのは当然戦うときはしっかり戦う必要があることは間違いありません」
杜父魚文庫
9499 輿石氏が「受けて立つ」ならついでに鳩山氏も菅氏も小沢氏も… 阿比留瑠比

コメント