共和党の大統領候補に指名されることが確実となったミット・ロムニー氏がオバマ大統領の北朝鮮政策を手厳しく非難しました。
ではロムニー氏がもし大統領となった場合、北朝鮮の長距離ミサイル開発は核武装を阻むことができるのか。今回の北朝鮮のミサイル発射はそんな疑問をも提起させます。日本ビジネスプレスの私の連載「国際激流と日本」からのレポート紹介の続きです。原文へのリンクは以下です。
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/35014
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米国で大統領選挙の共和党側指名候補となることが確実となったミット・ロムニー元マサチューセッツ州知事が、ミサイル発射直後の3月12日(米国時間)に次のように言明した。
「オバマ大統領は北朝鮮に対し、『力の立場』から対応せず、食糧援助の提供という宥和策をとった結果、北朝鮮を助長させ、このようなミサイル発射 を招いたのだ。大統領がミサイル防衛を大幅に縮小しようとしていることも北朝鮮を元気づけ、米国とその同盟諸国の安全保障を危険にさらしている」
米国上院の共和党有力者のジョン・カイル議員も、同日、オバマ政権の政策をはっきりと非難する声明を出した。
「北朝鮮のミサイル発射は、オバマ政権の北朝鮮への食糧供与アプローチを愚弄する結果となった。
オバマ政権がつい最近、北朝鮮との間で成立させたと宣言した合意を無残にホゴにされたのだ。米国は北朝鮮との愚かな交渉を止めて、ミサイル防衛の強化を進めるべきだ」
米国下院でもイリアナ・ロスレイティネン外交委員長(共和党)がさらに詳細な批判声明を発表した。
「北朝鮮のミサイル発射は失敗だったとはいえ、米国や国際社会の制止要請を無視してのその断行は、北朝鮮が米国などに敵対的な意図を抱き、責任あ る国家として振る舞うことに関心を有さないことを明示した。米国はこの脅威の情勢下、韓国と日本という東アジアでの同盟国との協力を揺らぎなく保つことを 改めて誓約する」
「しかし、この発射がオバマ政権が北朝鮮のミサイル実験停止の『確約』を食糧援助と引き換えに得た直後に実行されたという事実は、オバマ政権の北朝鮮との交渉は愚行であることを示した。
米国政府は、北朝鮮とまたまた交渉をして裏切られるという間違いを繰り返すことなく、グローバルな安全保障を脅かす北朝鮮のような国には断固たる制裁を強めるべきだ」(つづく)
杜父魚文庫
9517 ロムニー大統領は北朝鮮の核武装を防げるか 古森義久

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