ここにきて民主党政権の閣僚が浮き足立っているかにみえる。国会の委員会で田中防衛相が答弁に立つと閣僚席がソワソワしだすのは日常風景だったが、慎重居士かにみえた藤村官房長官があやふやな答弁を繰り返すようになった。
中でも枝野経産相の答弁は徹頭徹尾ブレまくっている。陰で師匠の仙谷氏から怒られ放しではないか。読売新聞が「ブレる経産相発言”物議かもすのは大変遺憾”」とお灸をすえたのは、至極、当然のことではないか。
<<ブレる経産相発言「物議かもすのは大変遺憾」>>
原子力発電所の再稼働に関する発言を巡り、枝野経済産業相が釈明に追われている。
前向きな発言と慎重な発言を交互に発しているためで、「発言がぶれている」との批判が出ている。枝野経産相は17日の記者会見で、「(原子力政策の)中長期と短期の話を整理して発言できなかった」と説明したが、発言のぶれは地元の判断などにも影響を与えかねない。
◆ブレ?
枝野経産相は18日の参院予算委員会で「安全性を自分自身で得心できない段階では、(再稼働には)反対というのは全く変わっていない」と言い切った。社民党の福島瑞穂党首から関西電力大飯原子力発電所3、4号機(福井県おおい町)の再稼働について「2日に反対と明言しながら、14日に福井県に要請したのはなぜか」と問われ、答えた。
今月2日にも「現時点では再稼働には反対」と述べた。しかし、翌3日に「反対だったのは(安全関連の)資料を読み終わっていなかったからだ」と、発言をやや修正した。
14日には福井県の西川一誠知事と会談し、「原発を重要な電源として活用することが大事」と再稼働容認を求めた。西川知事からは「(政府は)今後ぶれることなく、国民に(再稼働の)理解を得るように努めてもらいたい」と求められたが、翌15日には「できるだけ早く原発依存度をゼロにする」と、原発の必要性を否定するかのような発言をした。
◆背景
枝野経産相の17日の釈明によると、「依存度ゼロ」は中長期の目標で、「原発が重要」なのは今夏など短期的な事情だという。18日には、「私の答弁が、いろんな意味で物議をかもしているのは大変遺憾に思う」とも述べた。経産省関係者は「枝野経産相は再稼働の必要性については認識しているが、将来的な脱原発依存も政権の方針で、発言は一貫している」と擁護する。
ただ、自民党の茂木敏充政調会長は15日、「担当大臣の発言がぶれて、地元や関係者、国民の納得が得られるか甚だ疑問だ」と批判した。民主党内からも「経産相の立場では再稼働の必要性を感じながら、政治家個人としては反原発を訴えようと考え、本音と建前が見え隠れしているのではないか」との見方が出ている。
原発の再稼働には「地元や国民の一定の理解」が条件で、枝野経産相には国民に分かりやすい説明をすることが求められている。(読売)
<<“最後の答弁”も直紀防衛相ボロボロ>>
田中直紀防衛相と前田武志国土交通相に対する問責決議案が18日、自民党、みんなの党、新党改革によって参院に提出された。野党各党も賛成する意向で、20日の参院本会議で可決される見通し。両氏とも続投に意欲をみせるが、交代は避けられないとみられる。
決議案で「防衛大臣が素人であることは到底許されない」と断じられた直紀氏は「これからも職責を果たしていく」とだけ述べた。この日は、北朝鮮のミサイル発射問題などを議題にした衆参両院の予算委員会に出席。問責決議案提出前、最後の委員会となった参院予算委員会でもおぼつかない答弁を続け、自民党側の反発で4回、審議が止まった。秘書官の席が離れているためなかなか助けが得られず、隣席の玄葉光一郎外相が小声でささやく場面もみられた。
今年1月の就任直後から資質に疑問符を突きつけられ、同委員会で30回以上、審議をストップさせた不名誉な実績を持つ直紀氏の“記録更新”に、辞任に追い込みたい自民党席からは「(閣僚として)最後の答弁じゃないか!」と、あきれたようなやじも飛んだ。
自民党の質問者、川口順子議員から、田中家に婿入りする前の旧姓である「鈴木さん」と間違って呼ばれると、直紀氏は困ったような笑いを浮かべた。(日刊スポーツ)
杜父魚文庫
9525 浮き足立つ野田政権の閣僚答弁 古沢襄

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