前田国交相と田中防衛相に対する問責決議案は、20日の参院本会議で可決されるが、二人とも輿石幹事長が野田首相に推薦した”参院枠”。さきに問責された一川前防衛相も輿石氏の推薦で入閣している。
問責決議案が可決されても今度ばかりは辞任させないと輿石氏は息巻く。そうなれば消費増税法案の国会審議には入れない。八方塞がりの中で打開策があるのだろうか。
<前田国交相と田中防衛相に対する問責決議案は、20日の参院本会議で可決される方向だが、2人は居座るつもりらしい。
「輿石幹事長が17日夕に野田首相と会談し、続投方針を決めてしまった。前田大臣も田中大臣もともに参院枠で入閣していて、推薦者は輿石さんです。同じく参院枠だった一川前防衛相の問責では、最終的に内閣改造で交代になってしまったが、今回は絶対に譲らないと言っている。問責には法的拘束力がない。いちいち辞めていたら、キリがないという考えです」(民主党関係者)
だが、辞めなければ野党がさらに強硬策に出るのは間違いない。自民党は国会審議を全面拒否するだけでなく、主戦論派が勢いづく参院で次なる問責も用意している。18日の参院予算委員会では、自民党の礒崎議員が、北朝鮮のミサイル発射をめぐり政府の情報が混乱した問題で藤村官房長官を追及。「危機管理能力がない。長官失格だ。一度に3人も問責案を出すわけにはいかないから、次の機会にする」と藤村長官の問責案提出を予告した。
「今回のミサイル発射では、藤村官房長官のお粗末ぶりも目に余った。官邸が混乱した原因をつくった張本人。田中防衛相より責任は重いくらいです。さらに藤村以外にも、脇が甘い大臣がいる。時期が時期ですから不用意な交遊関係が表沙汰になったら、続けて問責になる可能性があります」(自民党中堅)
実際、いまの野田内閣では、この後も問責ドミノが続きそうな顔ぶればかりだ。馬狂いの小川法相といい、財政オンチの安住財務相といい、ロクでもない大臣しかいない。
自民党は来週24日に全国支部長会議を開く予定。浪人中の元議員が大勢押し寄せ、谷垣総裁に「早期解散」を要求、大騒ぎになるとみられている。公明党も来年のトリプル選挙(衆院選、参院選、都議選)は絶対阻止だから、早期解散を望んでいる。
野田ドジョウをめがけ、二の矢、三の矢が飛んでくる。最後は、首相本人の問責と内閣不信任決議案だ。(日刊ゲンダイ)>
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