9588 神経戦が展開される”夏の陣”　　古沢襄

「総選挙をやれば民主党の議席は半減するするかもしれないが、小沢グループの勢力を削ぐことが出来る。そのうえで自民党との大連立を組んで消費増税法案を成立させる」・・・まさに”肉を斬らせて骨を断つ”式の奇策だが、一夜明けた民主党内ではこんな怪情報が飛び交っている。
消費増税法案の成立阻止を公言してきた小沢元代表の復権によって民主党内を二分する党内抗争が激化するのは避けられない。立ち位置を小沢寄りに変えた輿石幹事長は”党内融和”を口にしている。消費増税法案の採決を先送りし、継続審議に持ち込む可能性も出てきた。
消費増税に「政治生命を懸ける」としている野田首相にとっては認められないシナリオだ。そこで”肉を斬らせて骨を断つ”式の奇策が囁かれるようになる。選挙地盤が固まっていない一年生議員が多い小沢グループにしてみれば、早期の解散・総選挙は避けたい。
ゴールデンウイーク明けの政局は、こんな民主党内の”にらみ合い”を内包しながら、消費増税法案の審議が進むのだろう。筋書きのない政局の危うさがあるが、小沢氏は９月の代表選挙に焦点を定めている。今すぐ野田首相と激突することはしない。
神経戦が展開される”夏の陣”が目前に迫った。
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