五月になった。ワシントンの野田首相、東京の小沢元代表も連休を楽しむ余裕はない。指定弁護士が控訴期限を迎える10日を境にして国内政局は一気に激動の様相を帯びるのは避けられない。
野田首相は4月30日夜(日本時間5月1日午前)、同行記者団に消費増税法案に反対している小沢氏を「何人たりとも党員なら方針に従ってもらいたい。(賛成が)当然と思っている」と強くけん制した。
一方、小沢氏は指定弁護士の控訴があっても、消費増税法案の反対を変えるつもりはないと伝えられる。ガチンコ対決だから、控訴断念なら小沢支持派の結束が揺るがないと計算しているのだろう。
この間にあって輿石幹事長は、党の統一と団結を旗印に消費増税法案の継続審議化をまだ捨てていない。指定弁護士が控訴を断念すれば、小沢氏の党員資格停止処分を解く方針を明らかにしている。
野田首相も小沢氏の党員資格停止処分を解除する執行部方針について容認する考えでいる。同時に小沢氏に対しては、消費税増税関連法案の衆院採決時に造反せず賛成票を投じるよう要請する意向といわれる。
この妥協が成る見通しはない。やはり野田VS小沢のガチンコ対決は避けられない。消費税増税関連法案の成否はいぜんとして不透明のままである。
<【ワシントン高塚保】野田佳彦首相は4月30日夜(日本時間5月1日午前)、民主党の小沢一郎元代表らが消費増税法案に反対する意向を示していることについて「一昨年秋から議論しており、何人たりとも党員なら方針に従ってもらいたい。(賛成が)当然と思っている」とけん制した。ワシントン市内のホテルで同行記者団に語った。
政治資金規正法違反で強制起訴され、東京地裁から無罪判決を受けた小沢元代表の党員資格停止処分の取り扱いに関しては「役員会、常任幹事会で議論し、決めることに尽きる」と述べるにとどめた。
首相は消費増税法案の審議を巡り、6月21日までの通常国会の会期について「これから本格的な審議というのが実感だ。まだ会期の延長等々を考える段階ではない」と強調。増税法案の審議入りが遅れ、会期内の法案成立は困難な状況だが、会期内の法案成立に全力を挙げる姿勢を示した。
参院で問責決議が可決された前田武志国土交通相と田中直紀防衛相の交代を野党が求めていることについては「すべての閣僚に緊張感をもって職責を果たすよう指示している。その姿勢に変わりはない」と述べ、続投させる意向を重ねて示した。(毎日)>
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