9615 私が日本国憲法を書いた(続)   古森義久

日本の憲法を作ったアメリカ側の当事者の紹介です。 そしていまのアメリカが日本の憲法をどうみるか。改憲への動きをどうみるか。多角的な報告を試みます。
<<今や日本に憲法改正を望む米国 「日本は大国の役目を果たせ」との声が主流に>>
1946年当時のケーディス氏はGHQ民政局次長という地位にあり、陸軍大佐だった。戦前には米国内で弁護士として活動した実績もあった。
私がインタビューした時はウォールストリートの大手法律事務所でまだ働いていた。この時ケーディス氏は4時間近くにわたり、驚くほどの率直さで、日本国憲法草案づくりの実態について私に語ってくれた。
同氏自身が起草にあたった憲法第9条は周知のように、一切の戦争や武力行使の放棄、戦力の不保持、交戦権の禁止などを明記していた。全世界でも類例のない「非武装」の義務だった。ケーディス氏が上司から与えられたノートには、日本の自国の安全保障のための戦争や武力も禁止するという記述があったが、同氏の一存でその部分は削ってしまったという。
ケーディス氏に米側の憲法9条の目的はと問うと、即座に次のような答えが返ってきたことをよく覚えている。「日本を永久に武装解除されたままにおくことでした」
日本の永久の非武装こそがこの憲法の最大目的だったのだ。その理由は言うまでもない。第2次大戦で米国や西欧主要国のほぼ全体を相手して戦った日本の軍事能力を、以後は永遠に奪っておくという意図だった。
その発想には日本の独立国家としての防衛や安全保障への配慮という要因はツユほどもなかったのだ。だから戦後の当初の期間は、とにかく米国製のこの日本国憲法を日本に押しつけ、いつまでも守らせることが米側のコンセンサスだった。
日本は軍事能力を持つとすぐ危険な行動に出る侵略性の強い国家だから、新憲法や日米安保条約によって封じこめておくという考え方である。この考えは後に「日米安保ビンのフタ論」へと変形していく。
「日本の憲法が日米防衛協力への障害となる」・・・。ところが日本の独立から60年、今では米側のそうした態度はすっかり変わってしまった。
石原都知事が4月16日にワシントンでの討論会で憲法廃棄を提唱した時、米側の討論者のリチャード・ローレス元国防副次官は、「日本の憲法は確かに米軍占領時代の遺物であり、日本はそれを変える権利も自由も有している」と述べたのだった。日本の憲法改正に今の米側には抵抗がないことを明示したと言える。同じ討論者のジム・アワー元国防総省日本部長はさらに「米国が反対することはまったくないだろう」と確言した。
もっとも米側の日本の憲法への対応について、知っておくべき基本がある。それは、米側では日本の国家体制や統治機構について露骨にああすべし、こうすべしという言辞は避けるという点である。(つづく)
杜父魚文庫

コメント

タイトルとURLをコピーしました