アメリカやトルコでは大衆の二割が、死ぬまでに世界の終末が訪れると信じているという。前世紀末に流行った人類の終末説がノストルダムスの予言から「マヤ予言」に姿を変えて、今世紀の日本でも流行る感じがする。
英ロイターは、調査会社イプソスが世界的規模で行った最新の意識調査で、古代マヤ文明の暦では、2012年12月に世界の終末が訪れるとされていることを、信じたり、不安に思う層があることを報じている。
<[ニューヨーク 1日 ロイター]調査会社イプソスが世界的規模で行った最新の調査で、「生きているうちに世界の終わりが来ると思う」と回答した人が、全体の約15%にのぼることが分かった。
イプソスは21カ国の計1万6262人を対象に調査を実施。死ぬまでに世界の終末が訪れると信じている人は、国別では米国とトルコが22%と最も多く、南アフリカでも2割を超える結果だった。最も低かったのは、フランスの6%。
同社のケレン・ゴットフリード氏は、理由の1つに古代マヤ文明の予言がメディアに注目されていることを挙げた。古代マヤ文明の暦では、2012年12月に世界の終末が訪れるとされている。また同氏は、教育水準や収入が低い人ほど、世界終末を信じたり、マヤ文明の予言に不安を感じる傾向が強いとも説明した。
調査対象になった国は、中国、トルコ、ロシア、メキシコ、韓国、日本、米国、アルゼンチン、ハンガリー、ポーランド、スウェーデン、フランス、スペイン、ベルギー、カナダ、オーストラリア、イタリア、南アフリカ、英国、インドネシア、ドイツの21カ国。(ロイター)>
■マヤ予言=2012年人類滅亡説(2012ねんじんるいめつぼうせつ)とは、マヤ文明において用いられていた暦の1つ長期暦が、2012年12月21日から12月23日頃に1つの区切りを迎えるとされることから連想された終末論の1つである。
21世紀初頭のオカルト雑誌や予言関連書などで、1999年のノストラダムスの大予言に続く終末論として採り上げられているが、懐疑的な論者はマヤ暦の周期性は人類滅亡を想定したものではないと反論をしている。学術的にもマヤ人の宗教観や未来観を知る上で意味があるとしても、それが現実に対応するものとは考えられていない。
■マヤ文明(マヤぶんめい)=メキシコ南東部、グアテマラ、ベリーズなどいわゆるマヤ地域を中心として栄えた文明である。メソアメリカ文明に数えられる。
■ マヤのカレンダー=マヤの人々は天体観測に優れ、非常に精密な暦を持っていたとみられている。1つは、一周期を260日(13日の20サイクル)とするツォルキンと呼ばれるカレンダーで、宗教的、儀礼的な役割を果たしていた。もう1つは、1年(1トゥン)を360日(20日の18ヶ月)とし、その年の最後に5日のワイエブ月を追加することで365日とする、ハアブと呼ばれる太陽暦のカレンダーである。
ワイエブ月を除いたハアブ暦(360日)とツォルキン暦(260日)の組み合わせが約13年(13トゥン)ごとに一巡する。これをベースとして4サイクルの約52年を周期とする 。この他、より大きな周期も存在していた。このようなカレンダーの周期のことをカレンダー・ラウンド(rueda calendárica)という。
また、紀元前3114年に置かれた基準日からの経過日数で表された、長期暦(ロング=カウント;Long Count)と呼ばれるカレンダーも使われていた。石碑、記念碑、王墓の壁画などに描かれていて、年代決定の良い史料となっている。
■ノストラダムスの大予言(ノストラダムスのだいよげん)=1973年に祥伝社から発行された五島勉の著書。フランスの医師・占星術師ノストラダムスが著した『予言集』(初版1555年)について、彼の伝記や逸話を交えて解釈するという体裁をとっていた。
その中で、1999年7の月に人類が滅亡するという解釈を掲載したことにより、公害問題などで将来に対する不安を抱えていた当時の日本でベストセラーとなった。実質的に日本のノストラダムス現象の幕開けとなった著作である。(ウイキペデイア)
杜父魚文庫
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