パネッタ国防長官と梁光烈国防部長が会見、「軍事交流は有意義」。米国を訪問した梁光烈・国防部長はパネッタ長官と会見し、共同記者会見では「両国の軍トップによる軍事交流は有意義である」という点で意見が一致したが、ハッカー攻撃など対立が浮き彫りとなった。
梁光烈に同行した中国の「将軍団」は陸海空のトップばかりで構成されていたことがわかった。
張又侠は瀋陽軍管区司令員。陝西省生まれで父親も軍人、中越戦争に参戦経験がある。七つの軍管区司令員(司令員は軍管区のトップ)のなかで、張はただひとりの実戦経験組。62歳。
蘇土亮は海軍副司令員(海軍中将)。山東省出身で海軍指揮学院校長をつとめ、海軍全般に通暁するほか、北海艦隊、南海艦隊司令員を経験、09年から10年まで海軍参謀長。
楊国海は空軍参謀長、天津生まれ。空軍師団長、上海空軍司令員、蘭州軍管区空軍参謀長を歴任した。
高津は第二砲兵参謀長でミサイル専門、陸軍少将、江蘇省出身で技術系の秀才。新型ミサイル開発などに貢献し、ミサイル戦略の理論などを執筆した理論家としても知られる。
膨勇は新彊軍管区司令員。新彊ウィグル自治区の党委員会常任委員兼任。
現在、中国はフィリピンとの領海紛争が一触即発の状況にあり、かつ薄煕来失脚以来の軍の動揺が拡がるという状況の最中、これだけの将軍一行が訪米したという意味は、軍の団結を内外に誇示する狙いが含まれているように見受けられる。
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読者の声 どくしゃのこえ 読者之声
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(読者の声)貴誌3639号(4月26日)で、すでに宮崎さんは次期中国リーダーのなか、軍人の次の指導層を予測されて劉少奇の子、劉源が薄煕来失脚により、直前まで彼を支持していたため、執行部入りは遠のいたと予測されました。
十日以上遅れて英紙『フィナンシャル・タイムズ』が、ようやく5月7日付けで、同様な予測を展開しており、むしろ貴誌の予測の速さに舌を巻いております。どういう情報源を中国内にお持ちでしょうか?(佐助)
(宮崎正弘のコメント)黄金週間中、およそ十日間、中国におりましたが、ついに陳亡命も薄失脚劇の後追い記事も、中国国内ではなく、まったくの空白の情報空間におりました。
帰国後に知ったことですがNHKbsの放送した個所は黒くなって画面が消えていた由。さもありなんと思います。
中国ではネット空間も封鎖されておりました。小生はパソコンを持参しませんでしたが、同行のなかに三人ほど携帯パソコン持参。着信できても発信が出来ず、旅行者に対してさえ、情報がコントロールされているようでした。というわけで、小生の情報源はむしろ北京とのアクセスができる海外の人々になります。
杜父魚文庫
9654 訪米した中国軍人は「陸海空の将軍団」 宮崎正弘

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