9721 駐日中国大使から議員に届いた「ゲンメイ」のお手紙 阿比留瑠比

さて、中国が堂々と内政干渉を働いて日本側にやめさせようとした世界ウイグル会議の代表大会をめぐってのできごとです。14日から始まったこの大会には、日本の国会議員5人が参加しましたが、その人たちに駐日中国大使さまから、厳しい「ゲンメイ」のお手紙が届きました。
チベットとウイグルをめぐり「後ろ向き」で「中日関係の妨げ」となる動きがあるとして釘を刺した上で、中国政府が作成したチベットとウイグルに関する資料を送付してきたとのことです。そこでせっかくなので、そのコピーを写真で紹介することにしました。
http://abirur.iza.ne.jp/blog/
チベットに関する資料には、チベット亡命政府について次のように書いてあります。日本の国会議員はこれを読んで勉強して、そのまま鵜呑みにして素直に言うことを聞きなさい、というわけですね。
「組織的に、綱領を掲げて『チベット独立』の実現を目指し、中国の分裂を企む政治組織で、中国の憲法と法律に完全に違反しており、世界中でいかなる国もこれを承認していない。ダライは単なる宗教法人ではなく、宗教を隠れ蓑にして、長年、中国の分裂を企み、チベット社会の安定と民族の団結を破壊しようとする政治亡命者であり、『チベット独立』を企む政治グループの総頭目である。
ダライは世界各地を回り、その根本的目的は説法でも、友愛・平和を広めることでもなく、宗教を隠れ蓑にして『チベット独立』の主張をばらまき、中国と関係国との関係を壊すことにある。(中略)われわれは国会議員の皆さんがダライとロプサン・センゲの中国の分裂を図る反中国の本質をはっきり見抜き、『チベット独立』勢力を支持せず、舞台を提供せず、いかなる形でも接触しないことを希望する」
次に、ウイグルに関する資料です。やはり、テロ組織だの何だのとくそみそに書いてありますが、これを我が国の選良たる国会議員はそのまま拝聴し、ありがたがらねばならないのでしょうか。それにしても、紀元前1世紀から中国の一部という主張は、中国という国の本質を図らずも表していますね。王朝が違おうと支配民族が違おうと、歴史上、一度でも版図にあったものは永遠に中国のものだという思想のようです。
おそらく本音では、ユーラシア大陸とその周辺の島々はすべて中国のものだと考えているのでしょう。ホント、迷惑というか厄介な国ですね。資料にはこうあります。
「『東トルキスタン』勢力は新疆を中国から分離し、政教一致の『東トルキスタン』国家を作る目的を達成するため、民族対立をあおり、民族分裂を鼓吹し、国際テロ勢力と結託し、中国の内外、特に新疆地区で数多くの暴力テロ活動を画策している。
『世界ウイグル会議』は『東トルキスタン』のテロ組織『世界ウイグル青年会議』および『東トルキスタン民族代表会議』などの組織が統合したものである。この組織は徹頭徹尾、中国の分裂を企む反中国組織であり、『東トルキスタン』はテロ組織と緊密に連携している。
この組織のいわゆる議長のラビアは中国国内で国の安全を脅かす罪を犯しただけでなく、脱税などの経済犯罪行為もあり、中国の司法機関から法に基づき判決を受けた犯罪人である。(中略)日本政府がこれ(世界ウイグル会議代表大会)を認めれば、それは中国の内政に対する干渉であり、中国の安定と安全利益を損なうだけでなく、日本自身の安全にも害がある。
われわれは議員の皆さんがラビアとドルクンらの中国の分裂をはかる反中国および暴力テロの本質をはっきり見抜き、いかなる形だも接触せず『世界ウイグル会議』に対し、いかなる支持もしないことを希望する」
身近なテロ国家である北朝鮮の肩を持ち、日本の領土・領海を虎視眈々と狙い、数百発の弾道ミサイルを日本に向けている国が何を言っても説得力はありませんね。
まあ、あれだけ大きな他民族国家を力ずくで維持していくのが大変なのは実際そうなんでしょうが、こんな公然と内政干渉されてもしらけるばかりです。それにしても、「日本自身の安全にも害」という文言など、まるで脅迫文ですね。やだやだ。
杜父魚文庫

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