連続して紹介してきた拉致問題の合同訪米団の活動についてのレポート最終回です。
アメリカ人青年が北朝鮮に拉致された可能性が高くなり、日本とアメリカとの新たな共同努力が生まれる展望が浮上したという点が最重要です。日本ビジネスプレスからの転載です。原文へのリンクは以下です。
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/35218
<<国際激流と日本>>
日本側からのこの新たな情報は未確認だとはいえ、有力な情報としてスネドン一家にも伝えられた。もっともこの新情報伝達の前にスネドン氏の両親や 兄たちは東京で4月末に開かれた「家族会」「救う会」主催の国民大集会に招かれ、日本側との協力の意向を表明していた。だが、さらに確実な情報により、スネドン一家は改めて米国の政府や議会にアピールする努力を開始したのだった。
<<浮かび上がってきた日米共闘の枠組み>>
合同訪米団は5月12日まで連日、米側の政府や議会の関係者たちと面談を重ねた。その相手のすべてにスネドン氏の北朝鮮拉致を示す新情報を伝えた。
米側の反応は一枚岩ではなかった。国務省など政府当局者は「個人情報の保護」を理由にスネドン氏個人のケースについて語ることはできないという趣旨を言明した。
だが、議会は対照的だった。訪米団は下院外交委員長のイリアナ・ロスレイティネン議員はじめ合計5人の連邦議員と会談したが、その全員にスネドン氏についての新情報を知らせ、積極的な反応を得た。いずれの議員たちも今後詳しく調査し、北朝鮮の関わりを追及したいという意向を表明した。
特に強い関心を見せたのはスネドン一家の在住するユタ州選出の上下両院議員たちだった。訪米団はユタ州選出のマイク・リー上院議員、ロブ・ビ ショップ下院議員、ジェイソン・シェイフィッツ下院議員の3人に会ったが、3議員とも身を乗り出すように耳を傾け、今後の探査の方針を強く述べた。そして 日本側との連携を進める希望をも表明したという。3議員とも地元有権者の外国政府による拉致となれば、真剣に受け止めざるをえないということだろう。
もちろん、まだまだ疑問は多い。スネドン氏が北朝鮮に拉致されたことも確認はされていない。たとえされていても、なおそのことが日本人拉致被害者の救出につながるわけではない。
だがそれでもなお日本側訪米団の今回の活動は拉致解決の長期の努力に1つの曲がり角を画したと言えそうだ。これまで存在しなかった日米共闘の枠組みが浮かび上がってきたからである。その意味では、この訪米団の努力の意義は特筆されてもよいだろう。(完)
杜父魚文庫
9725 拉致解決への新しい展望 古森義久
古森義久
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