今夜は東京都内で民主党の仙谷由人政調会長代行のパーティーがありました。で、そこで輿石東幹事長が、旧社会党当選同期生としてあいさつしたのですが、その内容に笑いが止まりませんでした。輿石氏はこう述べたのです。
「私とちっと似てるところがあるかもしれない。あまりマスコミを好きではない。まあ私よりずっと品がいいし、愛嬌がいい」
アハハハハ……あの言わずもがなの挑発、暴言でまとまるものもぶち壊し、その必要もないのに我田引水、牽強付会な議論をふっかけ、無意味に法律用語を駆使してシロをクロといいくるめて相手を納得させるどころかかえって激昂させた自称「乱暴副長官」様であり、師匠格の坂野潤治東大名誉教授に「インテリやくざを気取っている」と言われた仙谷氏が「品がいい」ですか。
私は仙谷氏の事務能力は否定しませんが、いつも「それにしてもこの下品さ、表現上の露悪趣味は何とかならないものか」と思ってきました。でも、それも輿石氏に言わせると「私よりずっと品がいい」となるわけですね。これが笑わずにいられましょうか。
まあ確かに輿石氏は、76歳にもなりながら番記者に「★☆×★☆×」と子供の口ゲンカのようなことを言ったり、質問にも「お前らに▽△◯理由はない」とけんもほろろだったりと、お世辞にも上品だとは言えませんが、仙谷氏が「品がいい」ねえ。
愛嬌がいい、という方はかろうじて分からないでもないですけどね。言われてみたら、仙谷氏にはいたずらっ子みたいな部分もあり、受け取りようによってはそれが愛嬌と見えなくもないと言えないこともないのは必ずしも万人の否定するところではないのではないかと思うのは私だけでしょうか、という人がどこかにいても不思議ではありませんから。
仙谷氏のすぐ「おごりたがる」「仕切りたがる」というお山の大将的な性格も、幼児性と受け止める人もいれば、ガキ大将時代の童心を忘れていないとほほえましく見る人も、そりゃ、人生いろいろですからね。
輿石氏とすれば、本日の小沢一郎元代表との会談で、野田佳彦首相との三者会談をセットし、気分が高揚しているのかもしれません。でもこの会談は、野田首相に小沢氏を切る覚悟があるならば、手続きの一環として意味があるでしょうが、その強い意志がなければ小沢氏サイドにいいように振り回される結果を生むだけでしょう。
この三者会談の話をテレビニュースが(そしておそらく明日の新聞も)大きく取り上げていることに関して、多くの人の反応は「何で同じ党の政治家同士が会うことをこんなに大げさに。バカみたい」というものだろうと思います。私自身も心底そう思いますが、この実につまらない儀式が、実際問題として野田政権の行方を占うものであるのも事実であり、ジレンマを感じるのです。
私自身は現在、消費税を上げるべきではないと考えていますが、かといって小沢氏や、野田首相と小沢氏の間で風見鶏のように振る舞い、鳥なき里のコウモリよろしく権勢を欲しいままにする輿石氏らの跳梁跋扈、百鬼夜行を応援する気にはなれません。だってあまりに「品がない」もの。
杜父魚文庫
コメント