9772 毛沢東統治の恐怖 古森義久

毛沢東の中国支配の恐怖を記録した書が出ました。「壮大なる実験の悲惨なる失敗」「3600万人の餓死者を出した共産中国最大の悲劇を描く」楊継縄という元新華社記者が中国各省の秘密公文書館を渉猟。
翻訳と解説は産経新聞の中国総局長を長年、務めた伊藤正氏が引き受けています。それだけでも価値のある書でしょう。
■内容(「BOOK」データベースより)
当時若い学徒として、養父が餓死したにもかかわらず、「大躍進」の理想を信じた著者。89年の天安門事件を契機に、新華社記者の特権をいかし、中国17省 の公文書館の内部文書や当時の幹部らへの取材を重ねて、浮かび上がってきたものは、毛沢東の独裁とそれに追随する官僚機構の、悲惨なる失敗であった。
各省ごとの被害の差はどこから生じたのか。失政に抵抗する勢力はなぜ、潰されたのか。飢餓の最中にも、海外への食糧輸出が続いていたのはなぜか。毛沢東は悲劇をいつ知ったのか。
周恩来、とう小平、劉少奇、彭徳懐、林彪ら建国以来の幹部たちは、どう動き、何を発言したのか。現実を重視する「実務派」と左派政策をテコに独裁体制を築こうとする毛沢東との間で振り子のようにゆれた共産中国の現代史。
その「権力闘争」のなかで今日まで続く中国の国の形が形成されていったことを鮮やかに描き出す第一級の歴史書。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
■楊継縄=1940年、湖北省の農家に生まれる。清華大学卒後、新華社入社。在社35年。同社高級記者(局長級)を経て、政治改革への積極的論調で知られる月刊「炎黄春秋」副社長。
中華全国新聞工作者協会理事。1950年代末から60年代初頭にかけ、毛沢東の発動した「大躍進」政策の失敗で数千万人の農民が餓死した実態を10年の歳月を要して取材、執筆。記者生命を賭け、香港で『毛沢東 大躍進秘録』(中国語原本『墓碑』)を2008年に刊行
■伊藤正=1940年、埼玉県春日部市生まれ。東京外国語大学中国語科卒。共同通信社に入社。香港、北京、ワシントンの特派員、外信部次長、論説委員長を歴任。共同通信時代は、二度の天安門事件を現地で取材。
中国報道の第一人者。2000年、産経新聞社に移籍し、中国総局長。現在は同社嘱託。2009年、『とう小平秘録』により、日本記者クラブ賞を受賞
■田口佐紀子=1943年、神奈川県横浜市生まれ。早稲田大学文学部英文科卒。1970年代初め、マラヤ大学社会人学級で中国語を学ぶ。1984年から2年間、北京外文出版社日本語組の専門家として勤務
■多田麻美=1973年、大分県生まれ。京都大学文学部卒業、同修士課程修了。専攻は中国文学。2004年よりフリーランスのライター、翻訳者に。新聞、雑誌、ウェブ サイトなどに北京や中国の文化をめぐる記事やエッセイを発表(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
杜父魚文庫

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