9845 中国から海外逃亡高官は18487名   宮崎正弘

こんな数字でおさまるわけはないですが・・・。中国から海外逃亡高官は18487名、不明金額は542億元(7600億円弱)。
少なすぎないか、とネット世論が大騒ぎをしている。検察当局が公表した貧官、汚職容疑者は2000年から2011年までの累計で18487名で、海外へ持ち出されたカネは542億人民元だという(『中国経済週報』、2012年22期)。
これは最高検察院と公安警察が合同で調査した数字に基づく。北京では5月23日に関係官僚総出の検討委員会が開催され、汚職防止を徹底させることを討議したが、検察機関と党腐敗防止担当委員会、公安、外交部ならびに国際金融機関の担当者が一同に会しての会議は、2007年発足以来、これが三回目という。
会計のごまかし、マネーロンダリング手口の巧妙化、香港の子会社、英領バージン諸島の面妖なペーパーカンパニー、米国籍というファンドの実態は華僑など殆どが中国人。かくして国富を盗み出す天才たちと取り締まる当局のいたちごっこは続くが、捜査線上に政治局員ら党のトップの顔がちらつくと、それ以上の追求は難しくなり、しょせん、捜査していますよとキレイゴトを言っているのに過ぎないのだ。
2011年に中国人民銀行が作成した内部資料によれば、官僚機構、党組織並びに国有企業、国有銀行等から海外に逃亡した人間は16000名から18000名と推定されると衝撃的な数字を羅列した。
同報告書は中国から持ち逃げされた金額は8000億元(邦貨換算で11兆2000億円前後)という。この機密報告の数字がより真実に近いのではないだろうか?
これまで公表された数字は過去に僅か三回しかない。
2001年最高人民検察院が公表した数字では海外逃亡高官が4000名、持ち出された金額は50億元。
2004年に公安部が公表した数字は海外逃亡500名、逃げた資金が700億元。
2006年にそれは8000名、700億元前後と減ったり増えたりしている。
北京大学の「清廉政治建設研究センター」の李成言・主任が推測する(博聞新聞網、12年6月4日)。「おそらく海外逃亡の高官は一万人を超え、かれらが持ち出した外貨は1兆元(14兆円)に達するだろう」。
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(読者の声)宮崎さんの雲南省現地ルポ、中南海の次期権力闘争模様はとても面白く拝読しました。『エルネオス』今月号、友人から回し読みでしたが。
雲南省の奥地においても天然ガスパイプライン網、鉄道網、高速道路網、高圧線網、電話インターネットなど通信網、新興住宅団地群、豪華別荘群などが競合って建造されているようですね。
共産党独裁統制と弱肉強食の金儲け至上主義が融合し、シナジー効果を高め国を挙げて未曾有のバブル大破綻を目前に金儲けと支那大地改造に猛進しているように感じらます。
支那人には「プロテスタンティズムの『倫理』と資本主義の精神」も形無しで、「独裁統制の論理となんでもあり金儲け至上主義の精神」でしょうか。(KU生、世田谷)
(宮崎正弘のコメント)「シナジー効果」(相乗効果)というより「シナ効果」。性欲、金銭欲、食欲のすべてが原色で表現されるので、じつに分かりやすい国でもあります。
杜父魚文庫

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