七月一日は香港返還十五周年、「権力の犬は去れ」と民主派がデモ。大荒れとなるか。胡錦涛は子分の梁震英(秘密党員)行政長官応援のため? 6月29日に香港入り。
おりからの不審な「自殺」。獄中で完全に身体障害者、失明者となった自由民権活動家の李旺陽が収用された病院で自殺したことに疑問を抱いた遺族。再調査を要求する民主派のデモは香港で勢いを得ている。四川省は共青団(団派)のライジング・スターのひとり、周強が党書記を務める場所でもあり、突き上げるには良い対象でもある。
胡錦涛が6月29日に香港入りすることが判明した。
7月1日、香港返還十五周年を慶祝する式典に出席するためだが、新行政長官に当選した梁震英は団派が土壇場で強力に後押しした候補であり、江沢民ら上海派がおした唐英年を大差で破った事は記憶に新しい。
その後、上海派とみられる財界人が逮捕されて、事態はきわめて流動的になっており、治安が悪化する可能性がある。
とくに胡錦涛の香港訪問中、警戒態勢はピークとなる。
団派は香港における影響力を飛躍させており、李克強も昨年に香港入りしている。胡錦涛ら団派の狙いはつぎの金融緩和、香港の国際金融センターとしての機能強化、オフショア市場の拡大にあり、つまりそれらによってどれほど団派も便乗した稼ぎが出来るかという「隠れた目的「」もあるだろう。
警備の人員不足のため、公共施設や学校の一部を臨時休業させ、毎日15000人の警備陣を配備できる体制を香港政庁が準備している。7月1日には民主派が数万規模のデモを計画している。
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(読者の声)マスコミが用いる言葉で気になるのが「構成員」という言葉の使い方である。「構成員」とは辞書によれば組織や共同体を構成する一員ということでごく普通の言葉である。しかしマスコミの用法をみるとまず暴力団に属する人間を「構成員」と呼び、また右翼団体や民族派団体のメンバーも「構成員」と呼ばれる。
であれば政党や左翼団体、市民運動団体などもそうかというと、さにあらず「党員」「サポーター」「メンバー」などと呼ばれる。
たとえば昨日代々木の日本共産党本部に押し入って逮捕された青年は「右翼団体の構成員」と報道される。まあ憂国の志があったのかもしれないがこの青年氏はタクシー代を踏み倒していたというのだから、あまり感心できない。
ではたとえば左翼過激派やカルト宗教団体がとっつかまった場合には「中核派の構成員」とも「オウム真理教の構成員」とは決して呼ばれない。何故だろう?
要するにマスコミにとって右翼民族派のメンバーは暴力団と同列の、社会の敵として扱いたいのであろう。ならば右翼団体の「構成員」は思想信条による差別、人権侵害としてこれらマスコミを訴えなければならない。
もう一つの例として「戦犯」という言葉がある。
「戦犯」とは「戦争犯罪人」の略であり、広義には戦争犯罪を犯したもの、あるいは狭義には戦後の東京裁判やニュールンベルグ裁判などで戦争犯罪人として有罪の判決を受けたものを指す。
ところが日本のマスコミでは、どういうわけかむしろ「敗戦の責任者」という意味の使い方をする。スポーツ紙で「巨人V逸の戦犯は誰か?」などと書くのはまだご愛嬌だが、天下の文藝春秋が『文藝春秋7月号』で「徹底追及 平成政治24年亡国の『戦犯』」という特集を組むとまた違ってくる。
当該の記事では要するに民主党などの政治家の批判であり、それ自体は真っ当な内容であるが、なぜ彼らが「戦犯」と呼ばれなければならないのか。
戦後の日本においてはGHQの占領政策に便乗して、追い落としたい人間に「戦犯」のレッテルを貼って葬りさろうとする便乗主義者が横行跋扈した。画家の藤田嗣治、音楽家の信時潔、橋本國彦などはその犠牲者であった。保田與重郎も隠棲せざるをえなかった。
また東京裁判や横浜裁判でいわれのない罪状を着せられて「戦犯」とされた者も多数いた。彼らやその家族にとって「戦犯」とはきわめて酷い言葉であった。勝者たる連合国が言うならまだしも、同胞から「戦犯」と言う言葉で蔑まれて生きてきたその家族たちの心情を考えると、今のマスコミの言葉の使い方は余りに無神経すぎはしないだろうか。
一方で本来の「戦犯」の正しい意味からすれば、原爆を投下したトルーマン米大統領、東京大空襲を指揮したカーチス・ルメイ将軍、日ソ中立条約を侵犯して満洲・樺太に攻め込んだスターリンはもちろんのこと、ハンブルクやドレスデンの無差別大空襲を行ったチャーチルなど文字通りの「戦争犯罪者」ではないだろうか。
本来なら彼らこそ十三階段で吊るされるべき犯罪人である。まさに勝てば官軍。おっとこの比喩はあまりよくない。昭和25年、朝鮮戦争をはじめた金日成も、またこれを支援した毛沢東もしかりである。我々はもっと言葉の正しい使い方に気をつけたいものである。(武蔵野国杉並住人)
(宮崎正弘のコメント)言葉は情報戦争の武器であり、政治プロパガンダ戦争では、言論戦の先端武器ですが、冷戦に勝利したはずの自由陣営が、いまも共産陣営に言葉の戦争では負け続けているという悲惨な状態です。
極左のノーム・チョムスキーの「一般意味論」(ゼネラル・セマンティックス)のいう「同一視反応」が言葉の戦争の基本で、あいつはサルと似ている。サルは頭が悪い。だからあいつは頭が悪いという三段論法で、イメージ操作をしてゆく。
その天才はゲッペルスであり、スターリンであり、毛沢東であり、そして今日のNYタイムズと朝日新聞でしょうか。いまの人民日報には意味論の天才が不在、硬直的言論空間では日本人のイメージ操作も難しくなりました。
ところで日本政府は、かの東京大空襲など日本五十数都市への無差別空爆の主謀者=ルメイに勲一等を贈った。やっぱり日本はバカというより、こうなると活仏ですよ。
杜父魚文庫
9928 江沢民派を圧倒した胡錦涛が29日に香港入り 宮崎正弘
宮崎正弘
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