王洋書記、腐敗防止キャンペーンで大なた、政敵をなぎ倒す構え。広東筋の情報として多維新聞網(在米華僑のネット新聞、すこし共産党寄り)が連日特集している。在米華僑は、その昔のクーリー(苦力貿易)でアメリカに渡った下層労働者の末裔であり、広東の情報には強い。
王洋が政治的野心と決断の下、近く100名前後の省幹部を処分する構えにあり、これは鳥炊村での民主選挙がモデルとなって、王の名声を高めたことが背景にあるばかりか、もとよりアンチ北京の風情が強い広東の政治風土への抜本的挑戦になる。
すでに2009年から王洋は「半腐敗キャンペーンを開始しており、広東省紀律委員会、検察、法務関係省庁は王の路線に賛同している。茂名市党書記、同副市長、公安局長などが腐敗の捜査対象となって失脚。広東省党常務委員会統一戦線部長も取り調べをうけ、関与して連座する茂名市党委員会幹部は218名に及んでいるという。
2011年には中山市元市長の李后紅、仏山市元市副書記だった呉志強らが失脚している。
「現在、広東省政府元副秘書長だった謝鵬飛、同財政副長だった危金峰らが党紀律委員会から調査され、ともに失脚した。『広東官場』(広東省の政治の見せ場という意味)では、近く、その調査査問の対象が数百名規模に及ぶのではないかと戦々恐々となっている」(多維新聞網、6月20日)
もっか、取り調べは王洋党書記麾下で、深セン市党書記の王栄来が指導しており、同市常務副市長の呂鋭峰、元副市長の梁道行と秘書ら100名に及んでおり、これは『広東の嵐』である、と喝采する市民、重慶と同様に旧幹部とそれにつらなる既得権益者が王洋に対抗したための報復措置とする旧裨益派、実態は複雑にして輻輳している。(註 王洋の「王」はさんずい)
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
読者の声 どくしゃのこえ 読者之声
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
♪
(読者の声)6月20日に発表された「言論NPO」と中国の英字新聞『チャイナ・ディリー』が行った世論調査で、「中国に良くない印象をもつ」と答えた日本人が84・3%、逆に「日本によくない印象を抱く」と回答して中国人が64・5%という調査結果でした。
日本の嫌中感情がかつてない高まりを見せていますが、調査のように尖閣諸島問題が、主因でしょうか?もっと他に理由があるように思えてならないのです。(MN生、横浜)
(宮崎正弘のコメント)日本側の「言論NPO」は05年に発足したボランティア組織のようですが、当時の反日暴動を踏まえて世論調査に乗り出した。
中国での調査は、その方法と規模を見る限り、かなり精密な世論調査を中国五都市、とくに北京大学などで行っておりますので、かなりの信憑性が、その調査結果にはあるとみて良いでしょう。
しかし質問の中味、質問するニュアンスが誘導的であったか、どうかは分かりません。
そのうえ、中国側の調査機関が『人民日報』系であり、多くの誘導質問、世論操作がなされている筈ですから(中国では自由な世論調査はあり得ず)、割り引く必要があります。これは直感ですが、日本側の嫌中国感情は、蓄積されたものであって、中国の反日暴動のように党が指導した瞬発的な人為的なものではありません。
ことしの日中友好四十周年のイベントに盛り上がりを欠くこと夥しき限り。日本の嫌中感情は、したがって調査結果より多い筈です。反対に中国側の反日感情は、もっと低い筈です。
いずれにしても、中国の若者に反日感情は殆どありません。「歴史認識」とかの戯言は、党と軍の情報操作以外の何者でもなく、実態はSMAP公演にあつまる群衆、日本のアニメブーム。蒼井空現象、日本食への信頼など、説明は不要でしょう。
杜父魚文庫
コメント