9973 小沢“隠し子&ビビリ”発覚で落選危機! 古沢襄

七月になったら小沢氏の岩手四区に行く。例年なら五月か六月に西和賀町沢内にある父と母の文学碑に詣でるのだが、冬場に体調を崩したので七月になった。
30年前、初めて父・古沢元の故郷である沢内村を訪れた。平成8年(1996)に新しい選挙制度によって岩手四区の沢内村は投票総数の55・7%の1616票が小沢氏を支持した。一族の高橋賢さんが沢内村の小沢一郎後援会長。
同じ一族の北島暲男村会議長は椎名悦三郎派。古沢元と新町小学校で一緒だった佐々木吉男元助役は志賀健次郎派と、この小さな村でも政争が激しかった。
この30年間で小沢氏支持票が減り、岩手四区では珍しい自民党支持票がトップになる変遷をみせている。また旧社会党の支持票も根強い人気を保っている。
高橋賢さん、北島暲男さん、佐々木吉男さんも今は亡い。この10年間、酒を酌み交わした親族、知人が去った西和賀町沢内はどうなっているのだろうか。町村合併で湯田町と合併して西和賀町となったが、小沢氏が主導した民主党の造反劇をどう見ているのだろうか。
西和賀町住民の親戚・縁者が北上市に多くいる。将来は北上市と西和賀町の合併構想もチラホラしている。友人の高橋洋介副知事は北上市の出身だった。その高橋洋介さんも今は亡い。どぶろくを酌み交わす仲間が一人減り、二人減ったのは寂しい思いがする。
<新党結成に突き進む民主党の小沢一郎元代表(70)。くしくも19年前の1993年6月23日、小沢氏は自民党を離党して新生党を作ったが、歴史は繰り返されるのか。グループの衆院議員から離党届を集めた小沢氏は、側近に「(次期衆院選は)脱原発と反消費税増税で勝てる」と豪語し、ボルテージが上がる。だが、小沢氏の地元・岩手では、夫人の“離縁状”が直撃し、「小沢氏すら落選しかねない」という。小沢王国で“異変”が起きている。
「解散は早ければ8、9月で、総選挙だ。遅くとも来年2月で、来春までには必ず選挙がある。間違いない。反増税で絶対に勝てるぞ」
小沢氏は21日に新党に言及した後、面会した側近議員に熱く語った。反増税と脱原発の新党を作って次期衆院選を戦う意志は固い。一定の議席を確保し、キャスチングボートを狙う思惑だ。
民主党執行部は26日にも社会保障と税の一体改革関連法案を衆院で採決する予定で、それまでに造反予備軍を切り崩そうと画策している。これに対し、小沢グループ議員は「週末に地元に帰れば、民主党議員は『マニフェストになかったじゃないか』と増税に反対する支援者の声に突き上げられて、反対が増える」と自信を持っている。
果たして、本当にそうなのか。小沢氏の金城湯池とされる地元・岩手県の県議や関係者を直撃取材すると、そこには微妙な空気が漂っていた。
社民党の久保孝喜県議は「小沢氏には『(消費税反対で)筋を通した』という大義名分があるから、新党旗揚げで地元での影響力は強まるのではないか。『小沢新党』(による政治混乱)の弊害はまだ続く」とみる。
しかし、“身内”の評価は厳しい。小沢氏の出身地・奥州市選出の民主党県議、佐々木努氏は新党について「一県議の私に影響することはない」と突き放し、同じく民主党の高橋元県議も「(新党は)予想できた話」と冷ややかだ。小沢氏は自民党から新生党、新進党、自由党など転々とし、“壊し屋”の異名もあり、今回の新党騒動はそう珍しくないのか。
ただ、地元では新党や増税より、むしろ先週の週刊文春が報じた小沢夫人の和子さんが地元支援者にあてたとされる“離縁状”の内容への不満や怒りの声が強い。愛人・隠し子疑惑や、小沢氏が10カ月以上も地元の被災地入りをしなかった理由が「放射能が怖かったから」と記されている。
和子夫人が取り仕切っていた後援会婦人部「水和(みずわ)会」の関係者は、「みんな『何で来ないんだべな?』と言っていた。それが『放射能が…』っていうんだから『冗談じゃない』っていうのさ。さんざん(地元に)世話になっておきながら。本来なら、翌日には来ないとダメだ。『何だ、このバカタレは!』という心境です」と怒りをにじませた。
文春報道には、前出の佐々木県議も衝撃を受けたようで、「小沢さんが被災地になかなか来ていただけなくて、『非常にがっかりした』という声をたくさん聞いた。私自身も、そのように思う1人だ」と話した。
自民党県議は「新党旗揚げなどより、震災復興への対応を最優先にすると決意表明されるべきだ。(消費増税を)政局に持ち込むなど間違っている」と指摘した。
衆院岩手4区の小沢氏の自民党対抗馬は、弁護士で丸山和也参院議員の公設秘書を務めた藤原崇氏(28)。「イケメンではないが、若くて誠実そう。小沢氏にぶつけるにはぴったり」(関係者)との評がある。
離縁状問題をスクープしたジャーナリストの松田賢弥氏は「ある熱心な支持者の女性は、離縁状を見て、『和子さんがかわいそうだ』とショックを受けて入院した。女性に嫌われたら政治家は終わり。後援会では地殻変動が起きている。以前から、陸前高田市長選や岩手県議選で民主が負けるなど衰退の兆候があった。離縁状の底流には『もう日本や岩手を振り回さないで』という意志がある。支援者には『小沢氏は次の衆院選に出ても落選する。恥ずかしくて出てこられないのでは』という人もいる。岩手の4選挙区で小沢新党の候補者が出ても全滅するだろう」と話した。
灯台もと暗し。地元の悪評は、小沢氏の新党立ち上げに暗雲となって広がるかもしれない。(夕刊フジ)>
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