9998 輿石氏、憂鬱のワケ…「参院議長」の夢 渡部亮次郎

粘り「過ぎる」輿石幹事長、と考えていたが、その理由は全く別のところつまりは「参議院議長」になるという、私利私欲にあった。それを6月30日の産経が暴いている。
これを小沢氏はしりながら、時間稼ぎの間、己の権勢を何とか広げようとずるい考えをしているわけだ。野田総理は二人に虚仮にされているわけだ。
<【民主分裂】輿石氏、憂鬱のワケ…「参院議長」見果てぬ夢 6人離脱で民主-公明ラインも「水の泡」
小沢一郎元代表との会談を終えた輿石東幹事長は記者団に、結論を週明けに持ち越したことを明かした「輿石さんから『月曜日まで待ってくれ』と言われたんだけど中身がないんだよな」
29日夕、民主党の輿石東幹事長と約40分間の会談を終えた小沢一郎元代表は、衆院議員会館の自らの事務所に戻ると側近議員にこう明かした。
3度目の会談でも輿石氏は「とにかく党を割りたくない」の一点張り。かといって小沢氏が求める消費税増税法案撤回はさすがにのめない。
ある党幹部は「もう歩み寄る余地はないな」とこぼした。確かにこれ以上小沢氏らを慰留しても野田佳彦首相に得はない。にもかかわらず輿石氏が恥も外聞も捨て小沢氏にすがりつく理由は別にある。
参院(定数242)は衆参ねじれにより野党が過半数を占めるが、最大会派はなお「民主党・新緑風会」(104議席)だ。ところが、19人以上が小沢氏に同調して離脱すれば、第2会派「自民党・たちあがれ日本」(86議席)を下回り、参院のパワーバランスは大きく崩れるからだ。
そうなると、議長は第1会派から選出するのが慣例であり、輿石氏の悲願である議長就任は一気に遠のく。来年夏の参院選で民主党が第1党に返り咲くことも期待できないだけに「輿石議長」は見果てぬ夢となる。
それだけでは済まない。
民主党と国民新党(3議席)に公明党(19議席)を合わせると126議席で過半数を上回る。実はこれが水面下で公明党に協力を呼びかけるテコになってきた。
衆院選挙制度改革で公明党は比例代表への連用制導入を熱望するが、自民党の反対で宙に浮いたまま。そこで輿石氏は民主、公明で成立させる密約を結び、協力を取り付ける青写真を描いていたのだ。
人事院を廃止し、公務員に労働協約締結権を付与する公務員制度改革関連法案の存在も大きい。民主党の集票マシンである連合は今国会での成立を厳命するが、自民党の協力は期待できない。これも国会終盤で民主-公明ラインで押し切る算段だった。
ところが、民主党から6人が離脱するだけでこの構想はご破算となる。そうなれば、公明党は、自民党と手を組み一気に倒閣に舵(かじ)を切る公算が大きい。
ある意味では、55人以上が離党しない限り、与党過半数を維持できる衆院よりも事態は深刻だといえる。
言うまでもなく「参院のドン」を気取っていた輿石氏の権威も地に落ちる。輿石氏が首相の意向を踏みにじっても「党内融和」を唱え続けた理由が透けてみえる。
もちろん小沢氏もそのへんの事情を熟知している。すでに参院民主党13人分の会派離脱届は手中に収めた。「ゴネればゴネるほど譲歩を引き出せる」。そう思ったからこそ輿石氏の会談要請に何度も応じているのだろう。
29日の会談前も小沢氏はご機嫌だった。側近が「地元の反応はいいです」と報告すると「そうか、よかったな!」と満面の笑みを浮かべ、日に日に憔(しょう)悴(すい)する輿石氏をこう気づかってみせた。「輿石さんをあんまり責めるのも気の毒だからなあ…」(産経) >
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