10009 悩む若手、小沢グループ分裂状態  古沢襄

民主党で最大の約110人を擁する小沢グループ内の結束が揺らでいる。離党して新党に参加しても、世論調査では八割が小沢新党に期待しないと出ている。小沢王国だった岩手県でも岩手一区と岩手三区は民主党に残る方向で、岩手二区だけが小沢氏(岩手四区)と行動をともにすることになりかねない。連合岩手は小沢新党を支持しないことを明らかにしている。
早期離党を唱えるのは、小沢氏に近いベテランの東祥三元内閣府副大臣、山岡賢次前国家公安委員長や、選挙基盤の弱い当選1回の議員が中心となっている。
消費増税法案で反対票を投じた57議員のうち、衆院で離党するのは40人程度とみられている。
<民主党の小沢一郎元代表は1日、離党・新党結成に向けた作業を加速させた。
野田首相側は、社会保障・税一体改革関連法案の造反議員への処分に強弱をつける方針を意図的に打ち出すことで、小沢氏への同調者を少しでも切り崩したい考えだ。
1日午後、地元・岩手県庁の知事室を訪れた小沢氏は、達増拓也知事と会うなり「知事、日曜日に申し訳ない」と笑顔で語りかけ、低姿勢で連携を呼び掛けた。
会談後は、記者団にも「理想と夢を実現すべく、共に力を携えて、県民のため、国民のため頑張ろうということで話が終わった」と強調し、達増氏と共同歩調を取る姿勢をアピールした。
小沢氏は、1993年の自民党離党から2003年の自由党と民主党の合併まで、過去4回にわたって新党結成や解党、合併などを繰り返してきた。これまでは地元にも事後報告だけだっただけに、後援会関係者は「こんなに丁寧に説明するなんて、以前なら考えられない」と語った。
小沢氏が入念に準備を進めるのは、世論調査でも8割が「期待しない」と答えるなど有権者に新党結成への理解が広がっていないことへの危機感がある。このため、党内最大の約110人を擁する小沢グループ内の結束が揺らぎ、混乱が長引けば内部対立が深まる懸念も出ていた。
早期離党を唱えるのは、小沢氏に近いベテランの東祥三元内閣府副大臣、山岡賢次前国家公安委員長や、選挙基盤の弱い当選1回の議員が中心だ。ただ、この中にも「離党はやむを得ないが、世論調査で支持の低い小沢新党に行くかどうかは悩んでいる」と語る若手もおり、一枚岩とは言えない。
一方、階猛、辻恵両衆院議員ら中堅には「党に残留した方が得策だ」として、情勢をさらに見極めるよう主張する声が強い。
このほか、中塚一宏内閣府副大臣や奥村展三文部科学副大臣ら法案採決で賛成した議員を含めると、小沢グループは3分裂状態になっている。
小沢グループでは、脱落者をこれ以上出さないため小沢氏自ら一人ずつ面談して最後の意思確認をすることを計画している。離党届の提出が3日以降にずれ込む場合でも、2日に離党を表明して新党結成を明確にする方針で、これも脱落者対策の意味合いが強い。(読売)>
<民主党の小沢一郎元代表は1日、岩手県内入りして、達増知事や党県連幹部と相次いで会談し、離党を含めた今後の対応について理解を求めた。
小沢氏との会談後、知事は「これからも(小沢氏と)一緒にやっていこうということだ」と話し、今後も小沢氏と行動を共にする考えを示した。
小沢氏は県庁で、知事と会談し「増税だけを遮二無二やろうとするのは、国民への背信行為であり、『民主党はウソつきだ』と言われても仕方がない」などと語り、離党を含めた今後の対応について理解を求め、協力を要請した。知事も「私も一緒に及ばずながら頑張ります」と応じた。
会談終了後、小沢氏は記者団に、「我々の主張を実現するためには、どうすべきかという判断を、遅くても明日にしなくてはいけない」と語り、2日に離党を含めた最終判断をする考えを改めて示した。
一方、知事は記者団から「小沢氏と行動を共にするのか」と聞かれ、「今までも一緒にやってきたし、これからも一緒にやっていこうということだ」と語った。
ただ、現時点で党県連が「一枚岩」でないことは明らかだ。平野復興相(参院岩手選挙区)に離党の意思はなく、階猛衆院議員(1区)、黄川田徹衆院議員(3区)も慎重な姿勢を崩していない。足元すら固められない小沢氏の焦りを指摘する声もある。
小沢氏が新党結成に踏み切れば、今度が4度目の新党となる。小沢氏の後援会幹部によると、これまでの離党、新党結成で事前に自ら県内入りし、関係者に説明したことはなかったといい、「若い頃は、自分で決めて『ついてこい』と言っていた」という。
しかし、今回は県連の分裂を危惧して、離党を最終判断する前日に県内入りし、県連関係者への説明に奔走するという異例の行動に打って出た。後援会幹部は「小沢さんは困っているのだろう。もう年で後がないんだ。変わったよ」と話している。(読売)>
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