陝西省の農村で起きた妊娠七ヶ月の妊婦強制堕胎事件は、当局と家族が妥協。衝撃の写真がネット上で配信されるや中国中で批判が渦まいた。
陝西省で、一人っ子政策の罰金が払えず、妊娠7カ月になってから第二子を強制堕胎させられた母親と胎児の遺体が病院のベッドに横たわっていた。
ネット上にこの写真が流れだすと大きな衝撃と当局を批判する反響があり、すぐに関係者七名の処分を発表した。
陝西省安康市鎮坪県曾家鎮の馮建梅は第2子を妊娠したが罰金4万元を支払えず、2012年6月4日に7カ月の胎児を強制的に中絶させられたのだ。同省人口計画生育委員会は「妊娠6カ月以降の中絶は法律で禁じられており、社会に悪影響を及ぼし」たと結論を出した。
ウォールストリートジャーナル(7月11日、中国語版)は、「中国政府はこの家族に7万元の『慰労金』を支払った」と伝えている。
この金額は夫がAP記者に語った数字で最終の確認が取れてないが、それはともかくとして、政府側が一人っ子政策の非を認めた初めてのケースである。
闇から闇へ過去四十年の間に、三億人が堕胎の犠牲となっていただけに、政策レベルでも、大きな変化の予兆となるかも知れない。
杜父魚文庫
10074 中国衛生局、71年から09年までの人工流産は三億人超と発表 宮崎正弘

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