「今後五年間に200億ドル」を約束。 五十ヶ国のアフリカ外相クラスをあつめ、北京で「中国アフリカ協力会議」。
ヒラリー・クリントン米国務長官は、2011年にザンビアを訪問した際、顕著に増加する中国からの投資行為を指して、かく警告した。
「これは新植民地主義ではないのか」
中国からアフリカ諸国への投資は過去一世紀に百倍となった。銀行融資も南アのスタンダード銀行を中国が買収して活用しているほか、中国政府系「中国輸出入銀行」が方々のプロジェクトに貸し付けをしており、その金額は世銀と並ぶ(英紙ガーディアン、7月20日)。
アフリカ大陸における最大の貸し手でもある。
1873年に英国人フランシス・ダルトンは言った。「アフリカ各地に中国人セツルメント(入植地)を設営すれば良い」。
今日、200万人に近い中国人がアフリカ各地に住んでいると言われ、あのリビア内戦のおりに同国から逃げ出した中国人が36000人もいたことから、全体の想定がつく。
しかも各地で「現地労働者を奴隷のように酷使する」と評判が悪い。中国への反発が強く、反中抗議行動が行われたのは、ウガンダ、ザンビア、ジンバブエなど、中国側は「食事など文化の違い」と釈明している。
英紙ガーディアンは「背景にあるのは石油利権をおさえるための米中戦争、しかも石油輸入などの決済を人民元でおこなうなど、中国と当該国との取引自体が世銀、IMFという米ドル基軸体制に挑戦している」。
7月19,20日、北京で開催された「第五回中国アフリカ協力フォーラム」で、胡錦涛は「今後五年間に二百億ドルの援助を行う」と大盤振る舞いを表明したが、このなかにはPKOや医療活動支援、医師の派遣、AU(アフリカ連合)への献金などを含むとして、拍手喝采を受けたという。
しかし中国のアフリカ援助は、従来のスーダン援助から、独立した資源リッチの南スーダンへ80億ドルなど、究極の目標は「資源確保」であり、アンゴラ、南ア、ガボン、リビアへの投資、中国の紐付きプロジェクトの急増が、そのことを露骨に物語っているようである。
杜父魚文庫
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