「疑惑のフランス人セフレ」、北京へ「自発的に」移動した。中国は60日間拘束し、裁判の証拠を揃える。フランスは抗議せず
あの薄煕来事件は、これから裁判が始まる。
もはや人々の関心は薄失脚後、かれの政治的生命の復活はないから、次の焦点に移行している。すなわち薄夫人=谷開来の元「セフレ」、フランス人建築士パット・アンリ・デビレルがいかなる証言をするのか、英国人ネイル・ヘイウッド殺人事件との絡み、その薄夫人のセフレたちが繰り広げた不正資金の海外移転の謎などである。
デビレルが行方不明となってからカンボジアで暮らしていると判明したのは米紙ウォールストリート・ジャーナルの独自取材と独占インタビューだった。かれは数年間をカンボジアに暮らしていた。
そして6月13日、カンボジア当局は、中国の明らかな圧力で彼を拘束した。この「不当逮捕」にはフランスが介入し、「拘束した理由と正せ」、「北京のようなろくな裁判が行われない国への強制送還は認めない」と政治的に容喙した。(主権国家としてフランスがやったことは当然だが、反対に日本は不法入国した金正男を逮捕もせず、外国へ送り届けたこともあった)。
さて。デビレルは7月20日に「自発的」にカンボジアを出国し、上海へ向かった。かれはその足で、北京へ向かい、「六十日間の取り調べ」に自主的に応じることとなった。あくまで「自発的に捜査協力」を申し出たというかたちになっており、したがってデビレルは拘置所ではなく、某所で「軟禁状態」に置かれる。
在北京フランス大使館は「出来るだけ早い時期に」、デビレルへの面会を求めた。
世界のジャーナリズムの関心は、デビレルが大連滞在時代に、いかに薄夫人と英国人との「三角関係」のもつれがあったかというスキャンダルではなく、かれらが薄一族の不正資金を、海外へ隠匿するために如何なるノウハウで、どのようなビジネス展開を名目に、いくらの資金をどこで洗浄し、どの国の口座へ移転させたかという「腐敗の実態」の解明にある。
デビレルとは海外で事実上同棲した形跡が、不動産投機、会社投機住所などからも歴然としており、また共同で複数の会社を経営していた。これらの会社が不動産販売などと定款に謳いながらも実態は面妖なビジネスを行っていたらしい。
杜父魚文庫
10123 薄煕来夫人のフランス人セフレ証言が注目 宮崎正弘
宮崎正弘
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