10133 森元首相、引退後も影響力保持?   古沢襄

人それぞれだから”森喜朗嫌い”もいる。誠実な人柄だが、一度、理不尽な批判した者は許さない厳しさがある。それで浪花節的な古いタイプの政治家のレッテルを貼られた。だが人情が薄れた世相の中で、日本古来の浪花節的な心情は貴重である。
次期衆院選に立候補しないといっても、政界から引退するわけではない。一九六九年に無所属でトップ当選して以来、四十三年間の政治経歴があるから自民党内や民主党内に幅広い人脈を形成してきている。その人たちが森氏を放っておかない。
党人としての経歴が長いから、独特の”政局観”を持っている。次期衆院選に立候補しないという本当の理由は「若い人に譲る。政治が新しく変わっていかないといけない」に尽きるのではないか。もっと深く解説すれば、自民党の総裁は谷垣氏から、もっと若い党首に代わるべきだということではないか。
私は智恵子夫人と親しい。早稲田大学で東南アジアの学生との交流会があった時に、日焼けした智恵子さんに「お国はどちらですか?」と森氏が声をかけた。これがきっかけになって1961年11月2日に二人は早大の大隈会館で挙式している。
杜父魚ブログの愛読者なのだが、「主人は古沢さんの手紙を別の文箱にしまっているのですよ」と言っていた。森氏が次期衆院選に立候補しない意向を明らかにしたことで、清和会(町村派)には、慰留する動きが出ているが、自民党内の世代交代が狙いだろうから翻意することはあるまい。
そのあたりの心境を智恵子夫人にじっくり聞いてみたいと思っている。森氏は多忙な毎日だろうから、智恵子夫人を一度、私の菩提寺・玉泉寺に案内しようか、とも考えている。
<自民党の森喜朗元首相(75)が23日、次期衆院選に立候補しない意向を明らかにした。
当選14回の大ベテランで、不出馬となれば党内の世代交代が進むとの声もあるが、政界引退後も影響力を残すとの見方は多い。
森氏は23日夜、かつて会長として率いた党内最大派閥の町村派議員約10人と都内で会食し、不出馬の意向を伝えた。出席者には慰留する声が出たが、森氏は「若い人に譲る。政治が新しく変わっていかないといけない」と語ったという。
森氏は2009年衆院選の際も引退を検討したという。ただ、民主党の小沢一郎元代表が女性新人候補を衆院石川2区に擁立したため、翻意したとされる。
75歳になったのは今月14日。22日に地元・石川県能美市で開かれた長男・祐喜氏の一周忌の会合で不出馬の意向を初めて示し、周辺は「一区切りと考えたようだ」と指摘する。
党内では23日、「世代交代は必要だから、日本の政治のためには望ましい姿だ」(山本一太前自民党参院政審会長)と、不出馬を歓迎する声も出た。
これに対し、議員引退後も影響力を残すとの見方が出ているのは、森氏が与野党に幅広い人脈を持っているためだ。次期衆院選後の政権奪還を見据える森氏は、「消費増税は決着させておくべきだ」と主張し、社会保障・税一体改革関連法案成立を優先させるよう谷垣総裁らに働きかけた。民主党の安住財務相や岡田副総理らも意見交換のために、森氏を頻繁に訪れてきた。
森氏は、9月の自民党総裁選をにらんだ動きも活発だ。元自民党参院議員会長の青木幹雄氏と先月26日に会談し、総裁選対応などを協議。青木氏や古賀誠元幹事長は谷垣氏の再選に否定的とされ、衆院解散が総裁選より後になれば、森氏に党内調整を求める声が強まる可能性もある。
一方で、町村派(43人)には変化が生じるとの見方が出ている。森氏は、総裁選出馬に意欲を示す会長の町村信孝元官房長官に対し、「派の一本化」を条件に支援する意向を示しているが、町村氏は同派相談役の安倍元首相と確執がある。同派で森氏に衆院選不出馬の翻意を求める声が出る背景には、「森氏がいなければ派内が混乱する」(同派議員)という事情がある。(読売)>
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