10137 胡錦涛の部下が次期政権の「首席補佐官」へ  宮崎正弘

団派、次期権力中枢に布石。胡錦涛の部下が「首席補佐官」へ。栗戦書(前貴州省書記)が次期組織部長兼政治局員に急浮上した。
中国共産党部長級会議が23日北京で開催され、九人の政治局常務委員も出席した。7月18日に貴州省書記の任を解かれていた栗戦書が次期執行部の「首席補佐官」(中央弁公庁主任)になる布石という事実が浮かび上がった。現職は令計画。栗は、副主任になった。
これはレーガン政権二期目に共和党内部の政敵でもあったブッシュ陣営の筆頭家老役、ジム・ベーカーをレーガン政権の中枢を司った首席補佐官に任命したような、人事上の異変である。というも栗戦書は、胡錦涛派で団派の有力リーダーと見られているからだ。
栗はいずれ中央弁公庁の副主任を経て、組織部長に就任すると見られる。現在の組織部長は李源潮(次期政治局常務委入りが確実)、その前は温家宝首相、曽慶紅元国家副主席らが経験した重要ポストだ。
ロイター等は栗戦書が河北省で下積み時代に習近平と親しく、個人的関係から「団派から拾い上げて中枢の調整役に抜擢か」などと報じているが、栗戦書の父親は栗政修、叔父が栗政通で、いずれも党の中堅幹部。祖父の栗再温は北京市党委、山東省副省長を歴任しており、「太子党」でもある。
杜父魚文庫

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