民主党は年内解散・総選挙を視野にいれた準備に入ったのではないか。昨夕、民主党の藤井裕久さんから電話があったが、言葉の端はしに臨戦態勢の気持ちが滲みでていた。
見方によれば来年一月に選挙を延ばしても、民主党の支持率が急上昇する保証はない。来年も年内もそう変わりがないとすれば、鉄は熱い中に打たねばならぬ。先延ばしをして、追い込まれた選挙は不利になる。
そうみると、八月一日に野田首相、岡田克也副総理ら関係閣僚と民主党の輿石東幹事長、樽床伸二幹事長代行らが出席して、民主党最大の支持団体である連合の古賀伸明会長と会合を持った意味が違ってくる。
同じ日に民主党の「人権政策推進議員連盟」の中野寛成会長、江田五月元法相、中井ひろし元国家公安委員長、平岡秀夫元法相、松本龍元復興担当相、福山哲朗前官房副長官らが野田首相に人権救済機関設置法案の閣議決定を急ぐよう要請書を提出した。民主党の支持団体である部落解放同盟を意識した動きであろう。
民主党にとって次の衆院選は、目減りをいかにして最小限にとどめるかの”守りの選挙”にならざるをえない。そのためには連合や部落解放同盟などの支持を固めた「組織選挙」が必要・不可欠になる。
これは小沢一郎氏が得意とした選挙戦術だったのだが、日教組出身の輿石幹事長が同じ手法を踏襲しようとしている。組織選挙の要諦は、小泉選挙のような「劇場型選挙」の風が吹かないことである。具体的には投票率が低くなることが条件といえる。
翻って、次の衆院選で大阪維新会や石原新党の追い風が吹くかの見極めが重要となる。大阪維新会や石原新党、小沢新党の追い風が全国的に吹き荒れる様相を呈すれば、組織選挙の効果は薄れる。維新の会の影響が大阪など関西エリアにとどまれば、全国的な組織を持つ日教組や自治労の組織力が有効に働くという判断を輿石執行部がしたのではないか。
野田首相、岡田克也副総理ら関係閣僚と民主党の輿石東幹事長が揃って連合の古賀伸明会長と八月早々に会談を持ったのは、連合の支持を要請したことではないか。関西に強い影響力がある部落解放同盟との支持要請は、大阪維新会対策とみることが出来る。
これらの動きは、各選挙区単位で候補者が支持団体に協力要請をする形で表れるだろう。民主党は年内選挙を意識した臨戦態勢をとろうとしている。さて、大阪維新会や石原新党、小沢新党が全国的に大きな風を起こすことになるのか、どうか。
杜父魚文庫
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