10219 中国の攻撃を抑えるオスプレイ 古森義久

なぜオスプレイの日本配備なのか。日本の反応がなぜおかしいのか。アメリカ側の戦略についての紹介報告を続けます。
<<米国と中国のせめぎ合いの間で「オスプレイ怖い」と泣く日本>>
明言しない部分では、中国の大規模な軍事パワー拡大が、米側の新戦略の最大原因であることを再三、示唆していた。中国の軍拡が米側の懸念の最大対象であることは、同じ公聴会でのオバマ政権高官以外の専門家たちの証言や議員たちの発言でも、明確にされていた。
シェア次官補らは米軍が今後とっていく具体的な軍事戦略として、「新型長距離爆撃機の配備」や「航空母艦とその航空戦力の保持」などという目標を挙げていた。明らかに中国を標的とする米軍の攻撃力、つまり抑止力の大幅強化である。
<「海兵隊の機動性」を決定的に高めるオスプレイ>
そうした措置と並んで強調されたのがアジア駐留の米海兵隊の戦力や機動力の増強だった。
シェア次官補は次のように証言した。「アジア太平洋地域での米軍の能力を高め、同盟国との協力を強めるためには、米軍の新戦略の中でも、アジア駐 留の米海兵隊の再編成が最重要の部分となります。特に沖縄に主力を置く海兵空陸任務部隊(MAGTF)の役割が重要です。沖縄駐留の海兵隊をグアムとマリ アナに一部移動させ、全体としての機動性を高めることが不可欠となります」
ここで「海兵隊の機動性」という言葉に注意すべきだろう。
この公聴会では、ジョージタウン大学教授のマイケル・グリーン氏も証人として意見を述べた。共和党のブッシュ前政権で大統領に直結する国家安全保障会議のアジア上級部長を務めた、日本でもお馴染みの人物である。
「米軍のアジア前方配備の主目的は、中国や北朝鮮に対して武力行使を思い留まらせることです。そのためには抑止力の強固な米軍の態勢を保持しなけ ればならない。特に今後重要になるのは米軍部隊のアジア地域での“空輸能力”です。前方配備の部隊構造を強化するために空輸能力の増強への要請が増すので す」(つづく)
杜父魚文庫

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