10223 民主も自民も統治がぐちゃぐちゃである件 阿比留瑠比

さて、衆院解散・総選挙をめぐる与野党の攻防がめちゃくちゃな状況になっていますね。とうの昔に「学級崩壊以下」と言われるほど党内のガバナンスがわやになっている民主党は、相変わらず輿石東幹事長をはじめみんな野田佳彦首相に面従腹背だし、党内から野田下ろしの声が公然とわき出ています。
対する自民党側も、谷垣禎一総裁がいまさらのようにまなじりを決して怒ってみせていますが、所属議員の思惑は各自てんでばらばらの様相で対応もふらふらしていますね。信念に基づく行動というより情緒に走っている感もあるし。
ある自民党秘書さんは「わが党は一体どうなっているんですか。ひどいなあ」と嘆くし、道ですれ違った某省幹部は「与野党ともめちゃくちゃになっていますね。どうなるの、これ」と聞いてきました。そんなこと言われても、こっちも「なるようにしかなりませんね」と言うほかありません。
私としては本来、民主党政権はとっくの昔に国民の信を問うていなければいけなかった、現在政権の座にあることに正当性はないと思っているので、ぜひとも早期解散の方向にことが運んでほしいところです。でもまあ、自分がすでに死んでいることに気づかずにゾンビ化するのは権力者の常なので、政権与党による無意味で百害あって一利なしの延命のための延命という状況がもうしばらく続くのかも知れません。
まあ、きょう明日の与野党のアクション次第で、道筋は見えてくることでしょうから、のんびり「観戦」してきおきたいと思います。で、この与野党のぐちゃぐちゃなやりとりについて、本日の参院自民党総会における溝手顕正参院幹事長のあいさつが、ある意味、現状を的確に表現しているように感じたので紹介します。まあもうホントに何というかいやはやはてさて……。
溝手氏 最終的に昨日の夕方、谷垣総裁、大島副総裁、石原幹事長と打ち合わせをしました。大変失礼だと思ったんですが、(谷垣氏に)はっきり、言わせていただきました。
「いい結果が出ないときには責任を取る覚悟はあるか。それだけ腹をくくっておやりになっているでしょうね。腹をくくってやろうということになれば、執行部の端くれにいるわれわれにとって全力をあげて協力する」という話をした。(谷垣氏は)「政治生命を懸けてやる」ということをわれわれ参議院のここにいる全員の前でおっしゃったから「嘘付け」とか「そんなことあるか」とかと言うような状況ではないし、説明を受け入れた。
それから、最後の問題ですが、ものごとが健全に動いているときはアンダーグラウンドとアッパーグラウンドがあるが、保育所や幼稚園の子と議論するような状況であるので、表も裏もまったくない。非常にわれわれは不幸だと思わなくちゃいけないと思う。
われわれが培ってきた政治手法が通用しない人たちに政権を盗られてしまったことは反省しなければいけないが、いわゆる新しい時代であります。中がばらばら、がちゃがちゃですから、いろんなことをやろうとしているということは事実だし、理解していただきたい。
……まあ、あなたも何を言っているんだ、とも突っ込みたくはなりますが、同時にそう言いたくなる気持ちも分かるような気がします。あの夏の政権交代からはや3年、日本の政界文化は「新しい時代」の波にどっぷりと浸かり、わやくちゃな状況が常態化しているようです。
にしても、「保育所や幼稚園の子と議論」って……。これで本当に政策決定過程をはじめ政治のプロセスが透明化しているのならまだしも、実際は「民主党政権の政策決定は自民党政権よりブラックボックス化している」(7月29日付毎日新聞、田中成之記者)のが実態ですからねえ。表と裏の区別がなくなれば物事が平明化してうまくことが運ぶというものでもないようです。
とはいえ、いったんこうなってしまうと、元に戻ろうとしたって、それは無理な話となっているだろうとも思います。過去の成功体験はあてにならないけれど、少しでも上手く進む方法を模索しないと。いろんな場面に現れている現在の社会全体の変化は、たぶん不可逆的な大きな変化なのだろうし。
いろいろと思いは千々に乱れますが、結論は一つ。それにつけても解散してほしさよ。
杜父魚文庫

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