10225 振り出しに戻って政界・秋の陣   古沢襄

八月五日以降のユーザー数は2519も急増した。六日は1158増、七日は872増、八日は489増(グーグル検索調査)。世をあげてロンドン・オリンピック一色と思っていたが、国内政局の混迷ぶりに読者は強い関心を持っている。
これを記事・論評でみると六日は「無理筋の解散要求 (2012/08/06)」「野田首相 六日にも自民、公明と党首会談 (2012/08/06)」。七日は「三党合意と自民党 法案成立の責任どうした (2012/08/07)」「自民 消費増税の8日採決に応じる (2012/08/07)」「8日の消費増税関連法案の採決は見送りか? (2012/08/07)」。
八日になると「身勝手な自民党の姿勢 (2012/08/08)」「森氏「谷垣さんにはがっかりだ」と批判 (2012/08/08)」「速報 消費税法案の早期成立で三党合意 (2012/08/08)」「年内選挙を以心伝心で伝えた (2012/08/08)」となって九日の「ワイワイ、ガヤガヤと無駄騒ぎ (2012/08/09)」に繋がった。
この間、自民党の谷垣執行部が一転して強硬な態度に変わったのは、党の選挙情勢調査で220議席前後を獲得できるというデータを得たのが背景にあると関係筋が教えてくれた。小選挙区180前後、比例代表40前後という見立てである。
この関係筋は、私が東北旅行(七月十八日~二十一日)に出る直前に自民党は小選挙区200前後、比例代表40前後で単独過半数を窺う勢いにあると言っていた。
民主党は小沢グループが離党した影響で党勢が低落傾向にあって、その打撃を癒すためには早くても来年一月選挙、できれば来夏の衆参ダブル選挙しかない。それでも上げ潮にある自民党には及ばないということだった。この基調は変わらないであろう。
このような状況下で野田首相が今国会での解散を選択する余地はない。あるとすれば、野田首相が退陣して新しい顔で選挙に臨むしかない。その場合は岡田首相になると関係筋は読んでいた。
この見立ては面白いが、いずれも不確定要素が多いので、記事化するのは躊躇せざるを得なかった。220議席というのは、大阪維新の会やみんなの党の動向によっては変わる要素を含んでいる。世論調査をみても自民党の支持率は20%台で低迷したままである。投票率もそれほど高くなるとは思えない。
さて、新党「国民の生活が第一」など野党6党が消費増税関連法案の成立阻止を狙って共同提出した内閣不信任決議案は九日夕の衆院本会議に上程され否決される見通しだ。
「野田内閣を信任することはできない」とする自民党は、不信任案採決の際に本会議を退席する戦術をとる。公明党も同調する見通しだ。早期解散を怖れていた民主党の造反グループも、内閣不信任決議案が否決される見通しとなったので、安心して造反の態度を示すのではないか。
政界夏の陣は、振り出しに戻って秋の陣が始まる。
杜父魚文庫

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