10328 中国はさらなる金融緩和に踏み切るか 宮崎正弘

周小川「金融政策にいかなる手段行使も選択肢から排除しない」。中国の金融政策を司るトップは周小川(中国人民銀行総裁)。すでに十年近く、中国の中央銀行総裁のポストに居座っている。
海外に出張することが多く、その活躍、国際会議ではスター並みに扱われ、誰もが周小川を知っていても、日銀総裁が誰か知らない。
周小川は2012年8月22日、北京で開催された金融研究会の合間をぬってのインタビューで、住宅価格変動、乱高下をおさえるには、一層の金融緩和が必要かと問われたらしく、次のように答えている。
「金融政策にいかなる手段行使も選択肢から排除しない」(ウォールストリート・ジャーナル、中文版、23日)。
いかなる手段行使とは「通貨供給、銀行間金利、預金金利、公定歩合、為替」など、中国が選択しうる範囲はひろく、過去九ヶ月のあいだに「銀行預金率」を三回引き上げて、不動産暴落に歯止めをかけようと必至だった。
周発言は国際的影響力を追っており、12年6月4日には「中国がIMF増資に協力しないという選択は取れないだろう」と発言した。
同年5月25日には「温洲で行われた金融改革の実験は、もっと緩やかに」として個人の外貨による投資の急進的政策にはブレーキをかけるなど、もっぱら市場の安定を狙っての発言がつづく。
この周小川は清華大学卒業、91年に外為管理局長、97年に中央委員候補、98年、中国建設銀行頭取、同年SEC委員長、2002年に中央委員。そして03年から人民銀行総裁。現在62歳。
父親は周建南。機械鉱業部部長(大臣)。つまり彼も「太子党」の一員である。
杜父魚文庫

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