10334 ”10月解散”を示唆した首相の意図をめぐって大揺れ  古沢襄

二十三日付けの産経新聞が「野田首相は複数の自民党幹部に”10月解散”を示唆していた」と報じたことで、永田町が揺れに揺れた。
首相の示唆は「10月上旬に臨時国会を召集し、”国会冒頭で解散し、11月上旬投開票”を選択肢のひとつとしている」と具体的。ある程度、想定されていたシナリオなのだが、解散権を持つ首相の口から出たとなると信憑性が高い。
その一方で、自民党内には「自民党を混乱させる意図がある」と懐疑的な見方も根強い。自民党は九月八日の会期末までに野田内閣を解散に追い詰める姿勢を崩していない。
二十九日にも首相問責決議案を参院に提出し、首相に今国会中の解散に向け攻勢を強める方針でいる。
自民党の伊吹文明元幹事長は23日の伊吹派総会で、野田首相が示唆した「10月解散」に反発して「社会保障・税一体改革は首相と谷垣禎一総裁の信頼関係があって、ここまでできたのだから、首相が谷垣氏を裏切るようなことをしたら大きな禍根を残す」と批判した。
<野田佳彦首相が衆院解散の時期に関し複数の自民党幹部に「10月解散」を示唆していた、との報道が自民党に揺さぶりをかけている。
早期解散にはいまだ懐疑的な見方が根強い23日付産経新聞は、複数の関係者の話として、首相は党首会談前後、自民党幹部に対し「予算編成への悪影響が出ることは避ける」との考えを複数ルートで伝達。その際、10月上旬に臨時国会を召集し、「国会冒頭で解散し、11月上旬投開票」という日程を選択肢の1つとしていることを示唆したと報じた。
野田首相は今月8日に自民、公明両党との党首会談し「近いうちに国民に信を問う」ことで合意したが、実際の解散時期は不透明で、様々な憶測のなか現時点では「10月解散、11月総選挙」が最も現実的なシナリオとされている。
しかし、ある自民党筋は野田首相の党運営について「自民党を混乱させる意図がある」と指摘する。自民党は9月8日の通常国会会期末までの解散を求める姿勢を崩しておらず、その立場から9月末で党総裁の任期切れとなるにもかかわらず総裁選の準備に着手できずにいる。
党総裁選には石破茂元防衛相や町村信孝元官房長官らが立候補に前向きとされる。また、前回出馬を要請されたものの経験不足を理由に断った参院議員の林芳正政調会長代理は、JRTの取材に「次にそういう状況になれば逃げない」と答え、意欲を示している。ただ、今のところ表だった動きは封印されており、谷垣禎一総裁の再選は堅いとの見方が強い。
同自民党筋は、谷垣総裁が思惑通り解散・総選挙に追い込めなかった場合、自民党内に執行部批判が強まると見越して野田政権が10月解散に言及している、と警戒する。
自民党は首相問責決議案を29日にも参院に提出し、首相に今国会中の解散に向け攻勢を強める。24日の参院予算委員会の終日開催に民主党が応じない場合、提出時期を週内に早めることも検討している。(ウォール・ストリート・ジャーナル)>
<自民党の伊吹文明元幹事長は23日の伊吹派総会で、野田佳彦首相が示唆した「10月解散」に関し「社会保障・税一体改革は首相と谷垣禎一総裁の信頼関係があって、ここまでできたのだから、首相が谷垣氏を裏切るようなことをしたら大きな禍根を残す」と述べ、早期に衆院を解散するよう強く求めた。
その上で「参院で首相問責決議案は確実に通るということになると、懸案事項は処理されずに滞る。仮に野田氏が臨時国会を開くと言っても、参院は相手にしない。もう八方がふさがっちゃったということだ」と語り、民主党内にある解散先送りの動きを牽制(けんせい)した。(産経)>
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