10336 民主は「配慮外交」を反省せよ 読売社説  古沢襄

読売新聞は二十四日付け社説で「領土問題では、毅然(きぜん)として自国の立場を主張するとともに、平和的な解決を冷静に追求することが肝要である」と主張した。
韓国の常規を逸した非礼な態度は、平和憲法がなければ澎湃として「征韓論」が起こり、日韓戦争に至る性格のものだといえよう。韓国の「あまりにも冷静さを欠いた行動(野田首相)」に対して、日本は冷静に厳しく、その非礼を抗議し国際社会に訴える外交努力を傾注すべきた。
ハト・カン外交で露呈された民主党外交の拙劣さはいうまでもないが、戦後政治史をふり返ると自民党外交も領土問題で毅然たる態度を示してきたとは言い難い。国家として当然の抗議・主張を展開することよりも、周辺国家に対する「配慮外交」に汲々としてきた。
そのツケが度を越した反日行動、侮日態度になって表れている。国家主権に関する問題では、日本は簡単に譲歩するという誤解を韓国側に与えたことは否めない(読売社説)。
韓国の常規を逸した非礼な態度を国際社会に訴え、毅然たる態度を示して、平身・低頭に堕した戦後外交の失敗を正すことが、いまの日本にとって党派を超えた最大の課題となっている。それは軍国主義に再来でもなければ、戦前回帰の復古主義でもない。
<領土問題では、毅然(きぜん)として自国の立場を主張するとともに、平和的な解決を冷静に追求することが肝要である。
衆院予算委員会で外交に関する集中審議が行われた。李明博韓国大統領宛ての野田首相の親書を韓国政府が返送すると発表したことについて、首相は「あまりにも冷静さを欠いた行動」と不快感を表明した。
親書は李大統領の竹島訪問に遺憾の意を表する内容だが、それを返送するのは外交慣例上、極めて非礼であり、看過できない。どんなに主張が対立しても、外交には最低限守るべきマナーがある。韓国の対応は一線を越えている。
政府は強く抗議すべきだ。ただ、その際は、外交儀礼をきちんと守って対応することが大切だ。
玄葉外相は予算委で、竹島の現況について韓国が「不法占拠」していると強調した。民主党政権は岡田外相以降、韓国側への配慮から「法的根拠のない支配」と表現しており、玄葉外相が初めて「不法占拠」との表現を用いた。
あまりに遅きに失している。国家主権に関する問題でさえ、相手国を刺激しないという民主党政権の過剰な「配慮外交」が、日本は簡単に譲歩するという誤解を韓国側に与えたことは否めない。
いわゆる従軍慰安婦問題でも、賠償請求権問題は完全に解決しているのに、前原政調会長が新たな「人道的措置」の検討を表明したことなどが、韓国側に誤った期待感を抱かせた可能性がある。
政府は一連の経緯を反省し、今後の対応を検討すべきだ。
野田首相は予算委で、李大統領の天皇陛下への謝罪要求発言について、謝罪と撤回を求める意向を表明した。韓国外交通商省報道官は、玄葉外相の「不法占拠」発言の撤回と再発防止を要求した。
日韓関係は今や、「負の連鎖」に入り始めている。竹島問題で対立しても、日韓関係全体が悪化するのは避けたい。日中韓の自由貿易協定(FTA)交渉など実務的な協議は継続するよう、日韓双方が努めることが重要である。
集中審議で自民党は、政府が香港活動家による尖閣諸島不法上陸を阻止できず、公務執行妨害罪を問わなかった点を追及した。
領土問題では本来、オール日本の体制で外交を展開することが望ましい。自民党が政府の揚げ足取りに終始するようでは困る。
日本の主張を国際社会に積極的に発信し、学校での歴史教育を充実させるなど、超党派で取り組むべきことは少なくない。(読売)
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