玉突き人事、北京で開始。胡錦涛はウラジオストックのAPEC出席。胡春華が重慶へ、令計画は統一戦線部へ、栗戦書が権力中枢大番頭へ。
第六世代のチャンピオンと言われる胡春華は内蒙古自治区党主席から、重慶特別市の党書記へ就任し、政治局入りする。重慶の書記だった薄煕来の失脚にともない、ピンチ・ヒッター書記である張徳江は次期執行部入りする模様。
ロイターや産経新聞などの観測では胡錦涛が十八回党大会で総書記、党軍事委員会主任の座を降り、13年春の全人代で「国家主席」の座もおりて「完全引退」するというが、かわりに李克強に首相兼「党軍事委員会副主任」を交換条件として江沢民らに示しているという。
多維新聞網などでは「軍歴のない李克強の、いきなりの副主任はあり得ない」という観測が多い。
さて次期習近平政権の中枢に栗戦書(前貴州省書記。62歳)が決まった。中央弁事処主任というのは中枢の首席補佐官、中国語では「大内総管」という。現職の令計画(55歳)は統一戦線部に移り組織部長を兼任するという。
こうなると令計画にもスポットが当たる。彼も胡錦涛派だからである。
令計画は山西省出身で、はやくから共産主義青年団にはいり、団の中央書記局弁公室主任として胡錦涛体制をささえ、02年からは胡錦涛の秘書をつとめた。07年に中央弁公室主任に抜擢され、第十七党大会で中央委員。
こうみると習近平政権の中枢は団派が固めることになり、バランス上、この玉突き人事は軍での太子党優遇、ほかの部署での上海派人脈の温存に繋がる可能性が高い。
杜父魚文庫
10422 習近平政権の中枢は団派が固める 宮崎正弘

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