10461 谷垣、石原一本化が決裂  古沢襄

自民党の谷垣禎一総裁と石原伸晃幹事長は数度にわたる話し合いでも、両者が譲らず、会談は決裂した。この結果、現職の総裁、幹事長が争う異例の事態となったが、これに町村信孝元官房長官、石破茂前政調会長、安倍晋三元首相、林芳正政調会長代理が加わって、総裁のポストを争うことになった。
<自民党の谷垣禎一総裁と石原伸晃幹事長は8日夕、総裁選(14日告示、26日投開票)の候補一本化に向け、大島理森副総裁を交えて党本部で会談した。しかし、谷垣、石原両氏とも譲らず、協議は決裂。石原氏は10日に出馬を正式表明、谷垣氏も10日か11日に出馬表明する。総裁選は、現職の総裁、幹事長が争う異例の事態となる。
今回の総裁選では、町村信孝元官房長官が先に正式に出馬を表明。石破茂前政調会長も出馬を固め、安倍晋三元首相、林芳正政調会長代理が意欲を示している。谷垣、石原両氏を含め最大6人が出馬に動く乱立模様となっている。
自民党内では、国会議員票を手堅くまとめるとみられる石原氏と、これまでの地方行脚の実績から地方票の獲得が多数見込まれる石破氏が優位に立つとの見方が多く、総裁選は2人の対決を軸にした展開になりそうだ。
ただ混戦のため、石原、石破両氏とも1回目の投票で過半数を獲得するのは難しく、石破、安倍両氏の連携など、上位2人による決選投票をにらんだ多数派工作が激しくなりそうだ。 
大島氏を交えた谷垣、石原両氏の協議は、7日に3回行われ、8日で4回目。両氏はそれぞれ立候補する構えを崩さず、「これ以上続けても話はつかない」として打ち切った。「民主党政権を倒すという目標は同じだから、総裁選が終わったら一致結束していこう」と、総裁選後の協力を確認して別れたという。
谷垣氏としては、石原氏の協力を得た上で執行部の結束を固め、総裁選に臨みたい意向だった。これに対し、石原氏は、森喜朗元首相や、引退後も参院自民党に影響力を残す青木幹雄元参院議員会長らの支援を見込んでおり、自らに勝機があるとみて応じなかった。
過去の自民党総裁選で総裁と幹事長の対決は、1978年の予備選で当時の福田赳夫首相と大平正芳幹事長が争った例がある。(時事)>
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