昨日は京都で「近いうちに(衆院)解散・総選挙で勝利を占めなければならない。野党総裁として、この壁は私自身が体当たりしてぶち破っていかなければいけない」と総裁選に出馬の決意を表明していた自民党の谷垣総裁は、一夜明けた10日昼前、緊急に記者会見し、今月26日に行われる総裁選挙への立候補を断念すると述べた。
谷垣総裁は、再選を目指して、石原幹事長との間で候補者一本化に向けた協議をでも一歩も譲らず、みずから立候補する姿勢を崩さなかった。緊急記者会見で「私が立候補したかったが、このまま行くとたくさんの方々が立候補することになるし、執行部から2人立候補するのはよくない」・・・前日までの態度が急変した理由が明確ではない。
だから「立候補に必要な推薦人二〇人集まらなかったのではないか」と皮肉な観測が党内からも出ている。
<自民党の谷垣禎一総裁(67)は10日午前、党本部で緊急の記者会見を開き、党総裁選(14日告示、26日投開票)について「執行部から2人出るのはよくないと決断した」と出馬を断念することを表明した。
谷垣氏は7、8両日、石原伸晃幹事長(55)との一本化へ向け4回にわたり協議したが決裂。執行部系候補の共倒れを懸念する大島理森副総裁がなお調整を続けていた。
谷垣氏は9日、京都市の党会合で「近いうちに(衆院)解散・総選挙で勝利を占めなければならない。野党総裁として、この壁は私自身が体当たりしてぶち破っていかなければいけない」と出馬への決意を重ねて示す一方、自身と石原氏の両方が出馬することについては記者団に「(総裁と幹事長として党運営を)今まで一緒にやってきたわけだから、望ましいことだと思わない」と語っていた。
これに対し、石破茂前政調会長(55)が10日午前、衆院議員会館で記者会見を開き、立候補を表明した。会見に先立ち、自身を支持する政策勉強会「さわらび会」のメンバーら14人から出馬要請を受け「要請は極めて重い。私利私欲、私情を捨てて、この思いに応える責任を感じている」と語った。
石破氏は会見で「私は立て直す! 日本を、地域を、自民党を!」と題した公約を発表。国防軍の保持を明記し、緊急事態条項を創設する憲法改正を盛り込んだ。外交・安全保障分野では「あらゆる体制を整備し、真の独立主権国家へ」として、集団的自衛権の行使を可能にする「国家安全保障基本法」の制定などを主張している。
次期衆院選後は自民党を中核とし、政策を共有できる議員を迎え入れる「理念に基づいた政界再編」を目指すほか、消費増税を柱とした税と社会保障一体改革について民主、自民、公明の「3党合意に基づき推進」することも強調している。
石原氏は10日昼、東京都内で側近議員らと出馬表明へ向けた詰めの協議を行う。同日は民主党代表選の告示や石破氏の出馬表明と重なるため、出馬の決意表明にとどめ、正式表明は11日以降に先送りする意見も側近議員から出ている。
7日に出馬表明した町村派会長の町村信孝元官房長官(67)は10日午前、同党国会議員へのあいさつ回りを開始した。同派の安倍晋三元首相(57)も同日午後、陣営幹部らと出馬会見の日程などについて協議する。(毎日)>
<--出馬しないということで、石原伸晃幹事長を支援するのか
「私は執行部の路線が明確にならなくなることを心配しているということは申し上げておく」
--これまで政権奪還に向けて先頭にたって壁を打ち破るといっていたが、ここにきて急に出馬を断念した原因は
「大島理森副総裁にいろいろと調整の労をとっていただいたわけだが、そういった中でいろいろ議論したこと、あるいは今の、先程申し上げたような情勢、総合的な判断をしてこのような結論を出した」
--先ほど、3者会談をやっていたと思うが、どういう話がされたのか
「やりとりの具体的なことは、答えは控えさせたいと思う」
--出馬しないという判断はいつしたのか
「それはちょっと前だ」
--昨日まで自身で体当たりということだったが、その時点では出馬しようと考えていたか。今朝、判断したのか
「そうだ。ちょっと前だと申し上げている」
-これまで野党総裁として引っ張ってきたが、今回辞める理由を
「先程言ってきたことに尽きる。執行部としてやってきた努力、こういった路線がぐしゃぐしゃにならないようにするにはどうしたらいいかに尽きる」
--金曜日の会見では、3年間、やってきたことについて画竜点睛(てんせい)を欠いていることはないといったが、政権奪還できなかったというのが判断か
「それはもうあと一歩手前まできている。そこまでの道は切り開いてきたつもりだ」
--ここで退く理由がわかりにくいが
「それはわかりにくいといわれても先程申し上げたことに尽きる」(産経)>
杜父魚文庫
10465 自民総裁選:谷垣氏が出馬断念 古沢襄

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