まだまだ猛暑が続きますが、今朝通勤途上で見上げた雲は、ようやく秋の雲になっていました。早く名実ともに過ごしやすい気候、本当の秋になってほしいものです。
さて、一昨日のことですが、NHKの世論調査結果を見て衝撃を受け、うちのめされたような気分になりました。まあ私の場合、割と簡単にへこむ方なのでこういう状態が特段、珍しいわけではないのですが、へなへなと力が抜けていくのが実感できました。
まもなく民主党政権が誕生して丸3年になりますね。この間、日本と日本人が被った有形無形の打撃、損害、被害、失われた国益、価値、国際的なイメージダウン、国力の減退、国民のモラルハザード、規律・規範と順法精神の崩壊……などはもう枚挙にいとまがなく、いちいち数え上げるのも面倒なくらいです。
で、私はなんとなく、こうした実態は国民の間である程度、共有されてきたのではないかと甘く考えていたわけですが……。NHKの世論調査によると、「3年前の衆議院選挙の結果、政権交代が起きたことの評価」について以下のような結果が出ました。
《「よかった」が30%で、2年前の調査より28ポイント下がる一方、「悪かった」が24%で、2年前より16ポイント上がり、「どちらともいえない」が42%。》
まだ、「よかった」が3割もいて、なおかつ「悪かった」という評価よりも多いわけです。私も、政権末期の自民党政権のていたらくにはげんなりでしたが、かといって、鳩山、菅、野田の3代の民主党政治を味わった上で、それでも「よかった」と答える人がこれほど多いとは正直、驚きでした。
世論調査は、サンプル数は所詮1000人かそこらですし、誤差も大きいでしょうが、それでもある程度、民意、有権者の心情を反映しているものと思います。
よく各紙の世論調査が発表される度に、数字の操作を疑う声が出ますが、数字に対する解釈はともかく、生数字をわれわれ現場の記者がいじくることなど一切できません(産経の場合、調査は外部の調査会社への委託だし)。他紙もたぶんそうだと思います。
私は昨年4月に「政権交代の悪夢」(新潮新書)という本を出した通り、ずっと現在進行形の悪夢に悩まされ続けていると感じてきたのですが、多くの有権者の意識とはやはりかけ離れていたようです。
よく、記事を書く際にもっと「民意」を尊重し、それに寄り添って書くべきだとの指摘・注文を受けるのですが、私には民意の何がどうなっているのかさっぱり分かりません。もちろん、政権交代してよかったという意見が、イコール民主党政権への肯定・礼賛とは言えないでしょうが、それにしても……。
自身の半生を振り返ると、いつもマイナーな立ち位置にいたし、きっとこれからもずっとそうなのでしょう。ここらで、いろんなことについて「そんなもんだ」とたかをくくり、割り切った方がいいのかもしれません。その方が生きやすいし、所詮、何を言っても理解する気がない人には理解されないし。こっちも理解しようとするのはやめた方が……うーん、でもなあ。
杜父魚文庫
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